<ナ・リーグ地区シリーズ:ドジャース2-8フィリーズ>◇8日(日本時間9日)◇ドジャースタジアム【ロサンゼルス(米カリフ…

<ナ・リーグ地区シリーズ:ドジャース2-8フィリーズ>◇8日(日本時間9日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)8日(日本時間9日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、まさかのブレーキとなった。ナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)第3戦に「1番DH」で出場し、5打数無安打。今ポストシーズン5試合目で初めて出塁できず、NLDSは3試合で14打数1安打と沈黙している。先発した山本由伸投手(27)は4回0/3を6安打3失点。フィリーズの主砲シュワバーに特大弾を浴び、流れを奪われた。シリーズ突破へ王手をかけていた一戦で大敗。第4戦はド軍が右腕グラスノー、フ軍は左腕サンチェスが先発する。

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99回2死一、三塁の第5打席、大谷はあっさり右飛に倒れ、試合終了となった。初球から積極的にスイングしたが、左腕バンクスのスイーパーにタイミングを崩された。5打数無安打。NLDSでは3試合合計14打数1安打と沈黙している。ロバーツ監督は「左投手との対戦も一因だが、打席内でのスイングの判断があまり良くない。内角や外角を攻められ、相手の失投を捉えるチャンスを逃している。スイングに対する正しい判断ができていないように思う」と語った。

今シリーズでは全15打席のうち12打席で左投手との対戦となった。苦戦する傾向があるシュート系で内角を突かれ、外のスライダー系にタイミングを外されている。唯一の安打は第2戦、ストラームの内角ツーシームを捉えた右前打のみ。この日は7回の第4打席、左腕スアレスの内角ツーシームを捉えた。メジャー30球場のうち、フィリーズの本拠地を含む4球場で本塁打の当たりだったが、左翼フェンス手前で失速。紙一重の差で凡退した。

9回の第5打席は、大差の展開で最後の1人という状況だったが、右腕ウォーカーからバンクスにスイッチされ、徹底した“左腕攻撃”を受けた。大谷対策が成功しているのか、それとも大谷の状態が良くないのか、試合後に敵将トムソン監督は「それについてはあまりコメントしたくない。彼はいつ爆発してもおかしくない。それほどの素晴らしい打者。ただ、我々は彼に対していい投球ができている」と話すにとどめた。

シリーズ突破へ王手をかけているチームは大敗したが、依然として2勝1敗で有利な状況にある。第4戦、大谷は左腕サンチェスと対戦する。第1戦では内角のツーシームやチェンジアップで攻められ、3打席連続三振を喫した。本塁打を放てば、試合の流れを一気に変えられるゲームチェンジャー。リベンジできるか、再び抑えられるか。勝敗の鍵を握りそうだ。

○…今季限りで引退するカーショーが、今ポストシーズン(PS)で初登板した。7回からPSでは19年以来となる救援登板。2イニング目の8回に2本塁打を含む5安打で5失点と崩れた。48球中ストライクがわずか22球で「制球に苦しんだ。楽しいイニングではなかった」と話した。だが「野球の素晴らしいところは、毎日新しい試合があること。明日は第4戦、準備万端だよ」と切り替えていた。