◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd…

秘密のドリル? 見られちゃった

◇米国男子◇ベイカレントクラシック Presented by レクサス 事前(8日)◇横浜CC(神奈川)◇7315yd(パー71)

PGAツアーの選手の練習を見るのは面白い。なにせ闇雲に球を打っている選手は少なく、ほとんどみんながスイングの何らかを矯正したいドリルをやっているからだ。そんな中、ミンウ・リー(オーストラリア)のドリルに思わず目を奪われた。

輪ゴムはこんな感じ

キャディバッグから取り出したのは赤と緑の2本の輪ゴム。両手の各親指に輪ゴムをかけ、親指同士で引っ張ってテンションを確かめる。次におもむろにアドレスの姿勢をとると、輪ゴムにテンションをかけたまま、両腕を前に出してひじを曲げた。そして両腕の間隔を保ったまま「バックスイング→ダウンスイング→フォロースルー」と胸を回してシャドースイングを繰り返す。いったい何をしているんだろう?

「自分の悪い癖で、バックスイングで右腕が体から離れやすくて、そうすると右わきが空いてきて、クラブ軌道がズレるんだ。ひじが下を向いた状態で両腕の間隔をキープしてバックスイングできるのが理想なんだ。この輪ゴムを使って、その意識づけをしているんだよ」と言って、身振り手振りで説明してくれた。その後キャディが正面側に立ってリーの動きをスマホで動画に収め、体の動きをチェックしていた(なんでもひじを下向きに保つことがコツだとか)。

ゴムチューブつきベルトでコアを意識

輪ゴムのドリルが終わると、今度は何やら変な練習器具を体に取り付けた。腰につけるベルトにゴムチューブがくっついている。リーは再びアドレスの姿勢をとると、チューブを握って両ひじを開いてゴムを両サイドに引っ張り、胸を開くような姿勢を作った。そこから再びシャドースイングを繰り返す。今度はいったいどんな効果?

「これは体のコア(体幹)を意識するドリルさ。腕よりも体の回転を使ってスイングできるように矯正しているんだ。お腹の下あたりに力を込めないとテンションを保てないんだ」と説明してくれた。

実に歯切れのよいリーのスイングは、こうしたドリルの積み重ねで成り立っていたのだ。輪ゴムなんて家にありそうだし、家の中でもできるドリル。バックスイングで右わきが空いてしまう読者諸兄、さあ、輪ゴムを手に取ろう。(横浜市保土ヶ谷区/服部謙二郎)