<明治安田J1:鹿島0-0G大阪>◇第33節◇5日◇メルスタ首位鹿島アントラーズが本拠地でG大阪と0-0で引き分け、2位…

<明治安田J1:鹿島0-0G大阪>◇第33節◇5日◇メルスタ

首位鹿島アントラーズが本拠地でG大阪と0-0で引き分け、2位京都との勝ち点差を5に広げた。試合終了間際にPKを獲得したが、鬼木達監督(51)に指名された未来のエースFW徳田誉(18)が痛恨の失敗。自身の弱さを認め、試合後には涙を流した。3万2407人の大観衆が詰めかけた一戦で勝ち点3を逃す、手痛いPK失敗となったが、残り5戦での巻き返しを誓った。

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18歳のルーキーに背負わせるのは酷な場面だった。0-0の後半追加タイム4分、徳田は味方が獲得したPKをセットすると、息を吐いてから助走し、ゴール左に蹴った。コースが甘くなり、相手GKにセーブされた。決定機を逃し、シャツで顔を覆い頭を抱えた。

「自信が足りなかったというか、背負いきれなかった。キックどうこうよりも、メンタルな的なところで勝てなかったところが大きいかなと思います。弱さが出た」

そう絞り出した。決めれば2位との勝ち点差が7に広がる大きな意味を持ったシーンだった。小学時代からクラブのアカデミーで育つからこそ、その重要性を理解していた。周囲からはフォローされたが「明らかに勝ち点2を失ったと思いますし、こういうゲームを勝って優勝してきたのをちっちゃい頃から見てたので、まだ自分にはその器が足りなかった」と自らを責めた。

才能は誰もが認める。今季は負傷で出遅れたが、前節は途中出場から衝撃の2発でその能力を証明してみせた。残り5節。代表ウイーク明けには勝ち点差5の4位神戸戦、その次には2位京都戦とビッグマッチが控える。「勝ち点を失ってしまった分を取り返さなきゃいけないですし、練習も試合も誰よりもエネルギー出さなきゃいけない。切り替えて、この悔しさをプレーで見せるしかない」。9年ぶりのリーグ制覇に向けた発奮材料とする。【佐藤成】