「AIG女子オープン(全英女子)」で日本人史上6人目のメジャー制覇を遂げ、5日に帰国した山下美夢有が東京都千代田区の日本…

山下美夢有が日本記者クラブで会見に臨んだ

「AIG女子オープン(全英女子)」で日本人史上6人目のメジャー制覇を遂げ、5日に帰国した山下美夢有が東京都千代田区の日本記者クラブで会見に臨んだ。

2019年の全英女子で日本勢42年ぶりのメジャー優勝を達成した渋野日向子ゴルファーとして初めて会見した場所は、“時の人”が招かれることで知られる。山下は「すごく名誉でありがたい。私がここに座っているのも、ちょっと不思議な感じ」と恐縮しつつ快挙を振り返った。

会見者の恒例となっている揮ごうで「夢」と記した。「私の名前が『美』しい『夢』が『有』るなんですけど、この漢字を選んでくれたのがお父さんとお母さん。私自身この名前が大好きで、こうして目標であったメジャー大会で優勝できたので」と選んだ理由を説明。一文字に込めた思いの通り、家族愛があふれる会見となった。

“時の人”が招かれる会見場へ

コーチである父・勝臣さんに対しては絶大な信頼の裏返しとしてユーモアを交えて感謝を語った。「お父さんもゴルフをしますけど、スコアは『100』前後。ちっちゃい時から私の方がうまかったですし、技術はもちろん私の方があります」と笑わせ、プロになってからも指導に納得がいかない時は少し反抗的な態度をとってしまうこともあったと明かす。

それでも、「最終的には『やっぱり間違ってないな』ってなって、それ(言われたこと)をやります。私もゴルフを考えていますけど、それ以上にメチャクチャ考えてくれていますし、教えるのはすごくうまい」。親子だからこそ遠慮なく意見を交わし、ついにメジャーの頂点に立った。「(ロープ内の)一番近くで支えてくれたキャディさんを含めて、こうやって一緒にメジャータイトルを獲れたのは本当にうれしい」。父の教えが間違っていなかったことを証明できた勝利でもあったとうなずく。

家族への感謝を涙ながらに語った

不意に思いがあふれたのは、同じプロとして道を歩む弟・勝将と全英女子も現地で応援してくれた妹・蘭さんについて話した時のこと。「ちっちゃい時から、ずっと一緒に3人で練習してきた。私が試合でいないことが多かった中でも、弟と妹がサポートしてくれた。その中で迷惑をかけてしまったなっていう部分とかもあったりしたんですけど…」と言ってから、涙が止まらなくなった。長女として、ゴルファーとしてきょうだいを引っ張ってきたようで、逆にずっと背中を押してもらってきたことへの感謝を胸に秘めてきた。

「ここまで来られたのも、私ひとり(の力)じゃない。今回こうやって優勝できたことは、絶対に忘れないですし、結果で恩返しすることができてすごくうれしく思っています」。家族、サポートスタッフ、スポンサー…。身長150㎝の小さなチャンピオンは、これからも大きな思いを背負って戦い続ける。(編集部・亀山泰宏)