「陸上・日本選手権」(6日、国立競技場) 大会の最終種目となった女子100メートル障害の決勝で大混乱が起こった。上位3…
「陸上・日本選手権」(6日、国立競技場)
大会の最終種目となった女子100メートル障害の決勝で大混乱が起こった。上位3人の大接戦で、掲示板に表示される順位が入れ替わり、騒然。最終的には全選手が座り込んで正式結果を待つ形となり、パリ五輪代表の田中佑美(26)=富士通=が12秒86で初優勝となった。
異例の光景が広がった。ゴールの場面では田中と中島ひとみ(29)=長谷川体育施設=が競り合った形でフィニッシュ。最初は田中が1位と表示され、笑顔を浮かべた。しかし、観衆のどよめきが起こり、表示は中島が1位に変更。中島は口を覆って驚いた表情で喜び、田中は座り込んだ。しかし、その後、なぜか後方だったはずの寺田明日香(35)=ジャパンクリエイト=が3位に表示された。その際、中島が12秒851、田中が12秒852、寺田が12秒855とされた。一度表示が消え、出場した全員がトラックに座り込んで、談笑しながら結果を待つ異例の展開となった。
正式結果では田中が12秒852で1位、中島が12秒855で2位となった。その差はわずか0秒003だった。寺田は6位だった。田中と中島は抱き合って健闘を称え、その後、8人全員で手を取り合って、観客の声援に応えた。
SNSでは「なんか泣けた」、「凄く感動的でした」、「個人競技だけど孤独な競技ではないんだと思わせてくれる素敵な光景でした」、「美しい光景だな」と感動の声が寄せられていた。