大相撲で2場所連続優勝中の大の里(25=二所ノ関)が6日、名古屋場所(13日初日、IGアリーナ)に向けて境川部屋に出稽古…
大相撲で2場所連続優勝中の大の里(25=二所ノ関)が6日、名古屋場所(13日初日、IGアリーナ)に向けて境川部屋に出稽古した。
5月の夏場所後に横綱に昇進後としては初の出稽古。境川部屋の東前頭5枚目平戸海、同じく出稽古に来た関脇霧島と計14番取って12勝2敗だった。立ち合いからの強烈な圧力、得意の右差しからの寄りなど、随所に持ち味を発揮。上々の仕上がりを披露した。霧島には3勝1敗、平戸海には9勝1敗だった。
稽古後は「名古屋に来て初めての出稽古。ずっと部屋でやっていて、違う相手とやって、ちょっと良くなかった。あと、もう1週間で、しっかりと仕上げていきたい」と、この日同行した師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に続く、新横綱場所での優勝を目指すだけに、あえて厳しい自己評価をつけた。物足りなさを感じた部分として「まだちょっとバラバラ。上と下のバランスが良くなかった。もう少し精度を上げていきたい」と語った。攻め手を緩めない上半身と、攻められてもどっしりと安定した下半身、どちらも兼ね備えた状態には、届いていないと感じていた。
最近の愛知県は、連日の猛暑日とあって「暑いので体力が削られる。1番1番、しっかりと大切にやることを意識したい」と、この日の境川部屋も空調のない稽古場で、水分補給、塩をなめるなどして、熱中症対策を意識しながらの稽古となった。その中で、境川部屋を選んだのは「動きの良い相手なので」と、平戸海の運動量、スピードが、相撲勘を養わせてくれると判断してのもの。そこに、思いがけず、霧島との稽古も実現し「反省の方が多かった」と、身になる稽古を詰めたことに感謝した。
ただ「押されても土俵際で残せる重さは出ていたのかなと思う」と、実力者2人を相手に土俵際まで寄り立てられても、逆転した形が何度もあったことを収穫として挙げた。二所ノ関親方は「いつも通り。あんなものでしょう」と、言葉はそっけないが、裏を返せば順調な仕上がりと実感している様子。続けて「あと1週間あるし、あのままでいいんじゃないのかな」と“問題なし”の評価をつけていた。