◇米国男子ツアー◇ジョンディアクラシック 3日目(5日)◇TPCディアラン(イリノイ州)◇7289yd(パー71)久常…

プレーオフ争いの渦中にいる久常涼。58位に後退して最終日へ(David Berding/Getty Images)

◇米国男子ツアー◇ジョンディアクラシック 3日目(5日)◇TPCディアラン(イリノイ州)◇7289yd(パー71)

久常涼がPGAツアー2年目で初のプレーオフシリーズ進出へ奮闘している。今季4度のトップ10入りを果たし、フェデックスカップポイントランキングは71位。4週後の「ウィンダム選手権」終了時点のランク70位までとなるボーダーラインとはわずか12pt差だ。

2021-22年シーズンまではフルシードと同じポイントランク125位までが初戦に進めたプレーオフシリーズは、翌22-23年からスタートを70人に設定。エリートフィールドとしての意味合いが強くなった。

長年第一線で戦い続ける松山英樹“以外”の日本勢にとっても狭き門で、17-18年の第2戦まで残った小平智が最後となっている(当時は4試合制)。小平はスポット参戦した同年4月「RBCヘリテージ」で優勝を飾って途中からツアーカードを手にしており、シーズンを通したポイントの積み重ねでプレーオフに進んだ例は14-15年の石川遼までさかのぼる。

トップランカーの多くが参戦を見送った今週は、ボーダーライン付近の選手にとって重要な稼ぎどころ。3日目で単独首位に浮上したデービス・トンプソンはランク70位とまさにギリギリのポジションにおり、最終日に逃げ切って大会連覇を果たせば、最終戦「ツアー選手権」がかかるトップ30付近まで浮上する見込みだ。

1打差2位につけるマックス・ホマも今大会の結果次第で久常のライバルになってくる可能性がある。ツアー通算6勝の34歳は今季5試合連続予選落ちを味わうなど不振にあえぎ、最高5位だった世界ランキングは現在99位まで後退。ポイントランクもシード圏外の122位に沈むが、3日目時点の14アンダー2位タイフィニッシュならランク78位まで上がる試算となっている。

久常のひとつ下、ランク72位にいるリッキー・ファウラーもカギを握る存在。3日目の「67」で9アンダー21位に順位を上げた。このままの順位で終えれば、久常らを抜いてランク69位と圏内に飛び込む。

36位スタートの久常は今週初のオーバーパーとなる「73」で4アンダー58位に後退した。出だし3ホールで2ボギーが先行。前半15番では深い右ラフからのセカンドをグリーン左のがけ下に広がるペナルティエリアに落とし、ダブルボギーを喫した。それでも、トータルで見れば安定していたショット以上に悔やんだのがパッティング。微妙な距離をなかなか決めきれず、「流れを作れなかった。もう少し入ると、また違った気がする」と首をひねる。

次週は「ジェネシス スコットランドオープン」に出場予定。予選通過者から有資格の選手を除いた上位3人に与えられる翌週のメジャー「全英オープン」切符を必死に狙いつつ、全英と同週開催の「バラクーダ選手権」(カリフォルニア州タホマウンテンクラブ)も選択肢として残す。「タホも好きなコースなので」と話すように、欧州ツアーメンバーとして出場した2年前にはトップ10に入った。仮に全英を逃しても、モチベーションは極めて高い。(イリノイ州シルビス/亀山泰宏)