<プロボクシング:DYNAMIC GLOVE on U-NEXT>◇5日◇東京・後楽園ホールWBOアジア・パシフィック・…

<プロボクシング:DYNAMIC GLOVE on U-NEXT>◇5日◇東京・後楽園ホール

WBOアジア・パシフィック・フェザー級王者の藤田健児(31=帝拳)が3度目の防衛に成功した。同級3位シム・ハノク(30=韓国)の挑戦を受け、5回0分58秒、計3度のダウンを奪ってKO勝利。プロ転向初のサウスポー対決で3回に左ストレートでダウンを先制すると、5回には激しい打ち合いから左、右とボディー連打をねじ込んでダウンを追加した。最後は再び右ボディーでもん絶ダウンを奪って決着をつけた。

連打しながら心を折ってレフェリーストップで倒すTKO勝利がスタイルだった藤田が鮮やかなKO劇で3度目防衛を成功させると、コーナーに上がって雄たけびをあげた。会場にわき起こる大歓声を耳にしながら「真夏なのに熱くしちゃってごめんなさい。率直にKOできて良かった。今まで倒し切る力がなかったので、そこだけは良かった」と笑顔。今回から試合トランクスも白から赤に変更し「シム選手も気持ちの強い選手だった。赤い情熱的な試合をしたいと思った。打ち合った結果、こういう試合になったので良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

試合3日前、自宅の壁にクモが姿をみせたことを明かし「僕はスピリチュアルが好きですが、クモは(神話に登場する)神の象徴で。妻が虫が嫌いだけれど、逃がさないでくれと今朝まで飼育していました。そうしたらこういう運命になりました」と笑いも誘った。

今年5月、同門の東洋太平洋同級王者中野幹士が米ラスベガスで計5度のダウンを奪って4回TKO勝利したことも大きな発奮材料だった。担当トレーナーも同じ元世界2階級制覇王者の粟生隆寛氏でもある。藤田は「トレーナーも同じで、1番近くにいる中野幹士がやっかいで。あんなに良い勝ち方したら、僕もたきつけられる。良い勝ち方できて良かった」とライバル心を燃やした。

WBOの最新ランキングでは4位に浮上している。藤田は「どっちにしろ、すぐに準備しないと行けない。世界と言える存在にならないといけない。もうそういう位置にきていると思う。もう少し圧倒的に。圧倒的の中にも極みを出せていければ。波があるので安定した選手になりたい」と言葉に力を込めていた。