大相撲の新横綱大の里(25=二所ノ関)が5日、名古屋市の熱田神宮での奉納土俵入りに初めて臨み、集まった約5000人のファ…

大相撲の新横綱大の里(25=二所ノ関)が5日、名古屋市の熱田神宮での奉納土俵入りに初めて臨み、集まった約5000人のファンや参拝客の前で、スケールの大きな雲竜型を披露した。名古屋場所(13日初日、IGアリーナ)前の恒例行事で、土俵入りの前には、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や大関琴桜らとともに黒紋付き姿で公式参拝。現役では例年、大関以上が参加しているが、昨年秋場所後に大関に昇進した大の里にとっては、これも初参加だった。

太刀持ちの小結高安、露払いの前頭隆の勝と並び、192センチ、191キロの恵まれた体格から、堂々と土俵入りを行った。公の場で土俵入りを披露するのは5月30日の東京・明治神宮での奉納土俵入り、翌31日の東京・両国国技館での尾車親方(元前頭琴恵光)の引退相撲に続き3度目。公の場で初披露となった明治神宮の時よりも2秒遅かったとはいえ、1分24秒の土俵入りは、時間としてはかなり短い部類だ。

横綱として今場所が3場所目、巡業でも数多く土俵入りを務めてきた、同じ雲竜型の豊昇龍が、最大の見せ場、せり上がりで、たっぷり時間をかけて大きく前進していくのに対し、大の里は、まだぎこちなさが残った。すぐに立ち上がってしまうのは経験の差。「まだ横綱になって、分からないことだらけですし、今回もこうやって初めて、地方場所で土俵入りした。これからいろいろと勉強して頑張りたい」と、意欲的に話した。

東西の両横綱が、熱田神宮で土俵入りを行うのは、白鵬が不知火型、鶴竜が雲竜型を披露したコロナ禍前の19年以来、6年ぶりだった。「たくさんのお客さんの前で、横綱の恒例(行事)の1つでもある熱田神宮の土俵入りを経験できて、本当にうれしく思いますし、また場所に向けて、しっかりと頑張りたい」。明治神宮の奉納土俵入りは、荒天のため、一般非公開で関係者の前で披露。しこ名の入ったグッズを持参した、大勢のファンから「大の里!」と声援を受け、四股を踏む際には「よいしょっ!」の掛け声も飛び、活力を得た様子だ。

新横綱優勝や3場所連続優勝などが懸かる名古屋場所に向けては「(初日まで)もう1週間しかないですし、初日に向けて最善の準備を尽くして、万全の状態で場所に挑めるよう、頑張っていきたいと思います」と力を込めて話し、表情を引き締めていた。