9回に貴重なダメ押し打を放った森前週は、東大に89年ぶりの連敗を喫して勝ち点を献上した法大だったが、早大に5対4と競り勝ち、連勝で勝ち点を獲得した「この六大学で、この法政の伝統あるユニフォームを着て戦う以上は、下を向いている暇はない。前を向…

9回に貴重なダメ押し打を放った森

前週は、東大に89年ぶりの連敗を喫して勝ち点を献上した法大だったが、早大に5対4と競り勝ち、連勝で勝ち点を獲得した

「この六大学で、この法政の伝統あるユニフォームを着て戦う以上は、下を向いている暇はない。前を向いていこう」と、選手たちに声をかけていた主将の森龍馬外野手(4年・日大三)が自らのバットでそれを示した。

 序盤からシーソーゲームとなったが毛利元哉外野手(2年・愛工大名電)の1本塁打3打点の活躍で法政大は1点リードで9回表を迎えた。
追加点が是が非でも欲しい1死三塁の場面で森は「何としてでももう1点取ろうと思っていました」と強い決意で打席に入ると、この日初安打が三塁線を破る貴重なタイムリーとなり貴重なダメ押し点となった。

1本塁打3打点の毛利元哉(法政大)

 試合後、法政大の青木久典監督は「森は絶対にやってくれる男。甘くなれば打てると思っていました。彼のチームなので、野手は彼に託して、投手は俺がなんとかするからと伝えていました」と全幅の信頼を置く主将を讃えた。

 課題の投手陣は、雨天順延2日を挟んで2試合連続の先発となった菅野秀哉投手(3年・小高工)が173球を要するも粘りの投球で9回4失点にまとめ、2試合連続の完投勝利を挙げた。
 森は試合後も表情を崩さず「主将の責任感もありますし、怪我ばかりで迷惑をかけてきたので、やるしかありません。振り返っても仕方ないので、最後の立教戦に最善の準備をしていきたいです」と学生生活最後の試合に向けて気を引き締めていた。

1回戦の1失点完投勝利に続き、2試合連続で完投勝利を果たした菅野

■法政大vs早稲田大2回戦
法政大  000201101=5
早稲田大 002100001=4
【法】○菅野−中村浩
【早】柳澤、今西、●早川、小島—岸本、小藤
本塁打:早稲田大・檜村(4回ソロ)、法政大・毛利(7回ソロ)

◎法政大・菅野秀哉投手(3年・小高工)
「先週の悔しさはずっと持って練習してきました。投手全体で“追い込んでから甘くなることなく低めに集めよう”と監督から言われていたので、それができました」

文・写真:高木遊