「広島8-3楽天」(21日、マツダスタジアム) 一発の乱れ飛びじゃー!!広島が交流戦ホームゲームでは20年ぶりとなる1…

 「広島8-3楽天」(21日、マツダスタジアム)

 一発の乱れ飛びじゃー!!広島が交流戦ホームゲームでは20年ぶりとなる1試合4本塁打で大勝した。大盛穂外野手(28)が自身初となる先頭打者本塁打を放つと、サンドロ・ファビアン外野手(27)は2打席連続2ラン。菊池涼介内野手(35)にも2号2ランが飛び出し、チームは連敗を2で止め、1日で勝率5割に復帰した。

 前日の完封負けがウソだったかのような大当たりだ。曇り空に次々と大飛球が打ち上がるごとに、満員に膨れ上がったスタンドの歓声は増していく。大盛が点火し、ファビアンが2打席連発でファンを驚嘆させ、菊池が“一発祭り”を締めくくった。本拠地での大勝劇に新井監督は「いい形で得点もできていると思います」と目尻を下げた。

 乗っている男がいきなり魅せた。初回先頭で打席に入った大盛が初球をたたいて右翼席に突き刺す3号先制ソロ。10戦連続安打を自身初となる先頭打者弾で決め、「初球から今日は絶対にいくと決めていたので、それが最高の結果になってよかったです」と汗を拭った。

 この一撃に「大盛の一発がすごかった。みんなのモチベーションが上がった」と燃えたのが2番・ファビアン。2-1の二回2死から大盛の右前打の後に打席が回ってくると初球を振り抜いた。高々と舞い上がった打球を左翼2階席に飛び込む8号2ラン。一塁ベンチを指さしながら、“ファビアンスマイル”を決め、「めちゃめちゃうれしいです」と喜んだ。

 これだけでは終わらず、ファビアンは4-1の四回2死一塁から6球目を捉えて再び左翼への9号2ラン。来日初の2打席連続弾を放ち、「厳しいボールが来たけど、捉えることができた」。直前の5球目にファウルとなった際にはバットを粉砕されていた。今季はここまで厳しい内角攻めにバットを折る場面も多い中、「ポイントを前で打てるように粘りたいと思っている。でも結構バットが折れるんです」と苦笑いを浮かべた。

 その後、五回には菊池にも左越え2ランが生まれた。カープの本拠地試合での1試合4発は22年5月8日・DeNA戦以来、3年ぶり。交流戦の本拠地試合に限れば、旧広島市民球場時代の05年5月22日・楽天戦以来、20年ぶりでマツダスタジアムでは初めての大爆発だった。

 この打線をけん引しているのが大盛、ファビアンの1、2番コンビ。この日は8得点中5点を稼ぎ出し、直近4戦連続の1、2番起用に応えた。大盛が「後ろにファビがいてくれて、つなぐ意識で臨めた」と話せば、ファビアンは「大盛が出塁するから自分も粘り強くと思っていた」と笑顔。力強い“モリファビ”コンビがチームの得点源になりつつある。

 ◆交流戦でのマツダ4発は球団初 2009年にマツダスタジアムが開場してから、広島が同球場での交流戦で1試合4本塁打を記録したのは今回が初。本拠地では広島市民球場だった2005年5月22日・楽天戦以来、約20年ぶりとなった。また、マツダスタジアムや交流戦に限らなければ、1試合4本塁打は23年9月23日・巨人戦(東京ドーム)以来。同球場では22年5月8日・DeNA戦以来。