「RISE」(21日、横浜BUNTAI) メインで行われたISKA・K-1ルール世界ストロー級(51・5キロ)王座決…
「RISE」(21日、横浜BUNTAI)
メインで行われたISKA・K-1ルール世界ストロー級(51・5キロ)王座決定戦で、現プロボクサーの那須川天心を兄に持つRISE王者の那須川龍心(19)=TEAM TEPPEN=が、ISKA世界フェザー級王者ハマダ・アズマニ(24)=モロッコ=に3-0で判定勝ちした。11連勝を飾り、自身初の世界王座を獲得。かつて兄も手にしたベルトをつかみ取った。
ついに世界王座を手にしたが、志高き19歳に笑顔はなかった。龍心は試合後の記者会見で獲得したばかりのベルトを持参するのを忘れ、「巻いた(うれしい)気持ちより、反省の方が強い。それが今(会見場に)ベルトがないことに表れている」と自虐。ビッグマッチ初のメインイベンターを務めたものの、判定決着となり「ムズムズする内容」と頭をかいた。
トリッキーな難敵に対し初回からプレッシャーを掛けて主導権を握り、左フックやボディー、ローキックなどを効かせて圧倒したが、倒しきることはできなかった。フルマークで判定勝ちしたものの「メインを任せてもらい『KOしてやろう。見せてやろう』という気持ちが強くて空回りしてしまった。また一から強くなって帰ってきます」とこうべを垂れた。
かつて17歳で同じベルトを巻いた兄・天心からも試合後“ダメ出し”され、「俺が(ビクトル・)サンティリャンとやった気持ちがわかったっしょ?」と、天心自身が今月8日に世界前哨戦で仕留めきれず判定勝ちした相手に重ねられたという。龍心は「あと(試合後の)マイクが5点、と言われた。試合が終わって傷ついているのに、さらにめった打ちにされて、追い打ちを掛けられた」と苦笑いした。
昨年5戦5勝(3KO)と破竹の勢いで勝ち続け、RISEの年間MVPを獲得。これまで“天心の弟”として注目を浴びてきたが、ファイターとして独り立ちし、RISEのエース格にまで成長を遂げた。さらなる高みを目指し、次戦からは53キロ級に上げる意向を表明。「今回(教訓を得て)地に足が着いたので、必死に練習してまた強くなって帰ってきます」と誓った。
◇那須川龍心(なすかわ・りゅうじん)2006年5月16日、千葉県松戸市出身。兄は“キックの神童”で現プロボクサーの那須川天心(26)。幼少期から空手、キックボクシングに取り組み、アマチュア大会に出場。中学卒業直後の22年4月にRISEでプロデビューした。24年11月にRISEフライ級王座を初戴冠。23年大みそかにはRIZINに初参戦し、MMA初挑戦でTKO勝ちした。164センチ。