「レスリング・明治杯全日本選抜選手権」(21日、東京体育館) 女子53キロ級3位決定戦が行われ、東京五輪金メダルで、昨…
「レスリング・明治杯全日本選抜選手権」(21日、東京体育館)
女子53キロ級3位決定戦が行われ、東京五輪金メダルで、昨年11月に第1子を出産した志土地真優(旧姓・向田、28)=ジェイテクト=が、弓矢紗希(日体大)に5-0で勝利した。同決勝とプレーオフでは村山春菜(自衛隊)が清岡もえ(育英大)に2連勝し、世界選手権(9月・ザグレブ)代表に決まった。男子グレコローマン77キロ級では、パリ五輪金メダルの日下尚(マルハン北日本)が復帰戦に臨み、2連勝で準決勝を突破。男子フリースタイル65キロ級では、同金メダルの清岡幸大郎(カクシングループ)も決勝に駒を進めた。
“ママでも金”に向けた第一歩を刻んだ。前日に2回戦で敗れた志土地は、3位決定戦に出場。第2ピリオドでバックを取るなど主導権を握り、5-0で圧倒した。産後では7カ月、大会では2年ぶりの実戦で銅メダルを獲得し、「子どもも増えて3人で頑張ろうと思えている。(2回戦で敗れて)悔しかったけど、それをバネに頑張りたい」と充実の汗を拭った。
金メダルを獲得した東京五輪後に、現在もコーチを務める翔大さんと結婚。パリ五輪は、藤波朱理に国内選考で敗れて出場を逃した。その後は「子どもを産んで五輪にいきたい」と、昨年11月に長男・巳楽(みらく)くんを出産。復帰を見据え、妊娠中から国立スポーツ科学センターのサポートを受け、許可の範囲内で懸垂やウエートトレーニングを臨月まで実施し、産後はわずか1カ月で練習を再開した。
28年ロサンゼルス五輪の優勝を最大の目標に、まずは12月の天皇杯全日本選手権(東京・駒沢体育館)で、26年愛知・名古屋アジア大会の代表切符を狙う。「簡単ではないからこそ挑戦する意味がある。絶対に権利をつかみたい」。母になった志土地が再スタートを切った。