「プロレス・スターダム」(21日、国立代々木競技場第二体育館) 新日本プロレスのIWGP女子選手権が行われ、挑戦者のS…
「プロレス・スターダム」(21日、国立代々木競技場第二体育館)
新日本プロレスのIWGP女子選手権が行われ、挑戦者のSareeeがV2防衛を狙う王者・朱里を32分49秒、リストクラッチ式裏投げからの片エビ固めで撃破。第5代王者に輝いた。
リングでベルトを巻いたSareeeに、客席から興奮した者の罵声が浴びせられた。それでも表情を変えず受け止めた。「朱里、これでくじけるんじゃないぞ」と、ゲキを飛ばした。
死闘だった。朱里のMMA仕込みの頭部へのキック、関節、絞め技、さらにエメラルドフロウジョンも浴びた。頭突きを相打ちした際は、客席ににぶい衝撃音が響く。得意の変形裏投げ3連発でもキックアウトされた。最後はリストクラッチ式裏投げで決着を付けた。
バックステージでSareeeは「WWEで失敗した、とか…いろいろ言われた。でも頑張ったから私を後押ししてくれた。朱里と戦えて本当に良かった」と感無量の表情を浮かべた。
父親が熱烈なアントニオ猪木信者だった。2021年2月に米WWEに挑戦する際は、生前の猪木さんから激励を受けた。米WWE挑戦から23年4月に帰国し「闘いを見せる」と、闘魂を前面に押し出すことを宣言。厳しい攻撃を貫き、批判にさらされることもあった。
昨年4月に当時のIWGP女子王者の岩谷麻優に挑戦。惜敗したが試合内容は高く評価され、昨年の女子プロレス大賞に輝く一因となった。それでも、その悔しさを忘れず、今回の戴冠につなげた。「とんでもなく重いものを手にした。誰が相手でも絶対に逃げない。世界一のベルトにする」と約束した。
そして、試合後のリングで浴びた罵声を取り上げ「認めさせてみせる。今に見てろよ、と思う」とキッパリ。反発、逆風など関係ない。闘魂を示す赤いコスチュームのSareeeが、新たな歴史を築いていく。