「阪神1-2ソフトバンク」(20日、甲子園球場) 勝利にあと一歩、及ばなかった。それでも延長の接戦に持ち込んだのは、序…

 「阪神1-2ソフトバンク」(20日、甲子園球場)

 勝利にあと一歩、及ばなかった。それでも延長の接戦に持ち込んだのは、序盤に流れを止めた超美技が欠かせない。薄暮の甲子園で阪神・近本光司外野手が飛んだ。つかんだ。決死のプレーで先発・村上を援護。打っても同点ホームを踏むなど、マルチ安打と最後まで戦う姿を見せた。

 「まあ、はい。気付いたら飛んでました」

 試合後、敗戦に気分は晴れない。それでも球場を沸かせたのは、初回に1点を失った展開の中で迎えた二回、無死二塁だ。海野が中前にフラフラッと落ちそうな打球を放った。落ちる-誰もが諦めたシーンで、近本が俊足を飛ばしてダイビングキャッチ。安打を確信した二走・牧原大はすでに三塁を回って戻れず、二塁に送球して併殺とした。

 守備だけじゃない。1点を追う五回には、好投を続けるモイネロから左前打。「直球にタイミング合わせながら、当たるところにボールがきたので」と、4戦連続安打で口火を切ると2死一、二塁から大山の中前打で同点のホームに滑り込んだ。九回にも内野安打でチャンスメーク。3連勝はならなかったが、走攻守の躍動が敗戦を惜敗にした。