「阪神1-2ソフトバンク」(20日、甲子園球場) 緊迫の投手戦で、阪神・村上頌樹投手は懸命に腕を振り続けた。これ以上点…

 「阪神1-2ソフトバンク」(20日、甲子園球場)

 緊迫の投手戦で、阪神・村上頌樹投手は懸命に腕を振り続けた。これ以上点をやるわけにはいかないと粘り続けた123球。「課題かな」と思っていた立ち上がりは苦しんだ。

 初回1死から佐藤直、柳町に連打を浴びると続く中村には四球。1死満塁のピンチとなり、続く栗原には初球をはじき返された。痛烈な打球は三遊間へ。しかしここで仲間の守備に救われた。遊撃・小幡がダイビングキャッチし、素早く二塁に送球。一塁はセーフとなって1点の先制点は与えたが、この回を最少失点で切り抜けた。

 この日の相手先発は好投手のモイネロだっただけに、「小幡の守備でなんとか1点で止まったので助かった」と感謝した。二回も先頭の牧原大に二塁打を献上したが、海野の中前へのライナー性の打球を近本がダイビングキャッチ。二塁へ転送して併殺となり「あそこでもう1点入るときつかったと思うので、感謝したい」とここでも守備に助けられた。

 以降はテンポのいい投球を意識。「相手もいい投手なのでなかなか点は入らないなと思いながら。なんとか粘ろう」と踏ん張った。同点の七回は自身の暴投も絡み2死三塁とヤマ場を迎えたが「次の1点で勝負が決まる」と覚悟を決めた。フルカウントから海野をチェンジアップで空振り三振。グラブを何度もたたき感情を爆発させた。

 八回はしっかり3人で締めて8回を5安打1失点。チームがこれまで苦戦し続けていたモイネロとの投げ合いには「楽しく投げることができた」とうなずいた。勝ちにはつながらなかったが、右腕にとっては次につながるマウンドとなった。