「ドジャース3-5パドレス」(19日、ロサンゼルス) ドジャースの大谷翔平投手(30)は「1番・指名打者」で出場し、九…
「ドジャース3-5パドレス」(19日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手(30)は「1番・指名打者」で出場し、九回に元阪神の守護神スアレスから右肩甲骨下部に死球を受けた。直前の九回にはパドレスの主砲タティスが死球を受けたことをきっかけに、両チームの首脳陣、選手がベンチを飛び出し、両監督が退場処分となった大荒れの一戦。ロバーツ監督は報復とも受け取れる大谷への1球を「明らかに故意だ」と非難した。
激痛に声を上げ、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。2点を追う九回2死三塁。3ボールから剛腕スアレスが投じた160・5キロ直球が大谷の背中付近を直撃した。パドレスとの4連戦で2つ目の死球。地元ファンの怒りと不満の声がブーイングとなってフィールドに渦巻いた。
伏線はあった。その直前の九回に、ド軍の新人投手が看板選手のタティスに死球を与えた。こちらは今季対戦7試合で3つ目。怒りが頂点に達したシルト監督が三塁側ベンチに突進していくと、ロバーツ監督も応戦。両軍ベンチとブルペンから一気に選手らがフィールドになだれ込み、2人の将が退場処分となった。
大谷への死球は“報復死球”とも受け取れた。すぐに第2ラウンドが始まっても不思議ではなかった。だが、大谷は痛みで顔をゆがめながら自軍ベンチに向かって左手を挙げ、同僚たちの動きを制止。自身は敵軍選手と笑顔で言葉を交わし、不穏な空気を一掃した。
今回の4連戦は両軍とも4死球ずつを与え、計8死球と荒れた。2日前の試合でも死球合戦を巡る言動で退場させられているロバーツ監督は、大谷への1球を「明らかに故意だ」と非難。「警告試合になった後のこと。MLBは調査しなくてはいけないかもしれない」と問題視した。また、大谷が見せた紳士的行為を「自分はけがをしていないし、これ以上、騒動を大きくしたくなかったのだろう。すごく尊敬する」とたたえた。
大谷の右肩甲骨下部付近が赤く腫れており、試合後のクラブハウスで、湿布を貼って応急処置した。指揮官は「うまくかわしていたし、大丈夫だろう」と軽傷を強調。ただ、3日後に予定されている今季2度目の登板への影響が心配される。