<国内女子ゴルフツアー:ニチレイ・レディース>◇第1日◇20日◇千葉・袖ケ浦CC新袖C(6594ヤード、パー72)◇賞金…
<国内女子ゴルフツアー:ニチレイ・レディース>◇第1日◇20日◇千葉・袖ケ浦CC新袖C(6594ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)
“ゴルフ界の上白石萌歌”が、シンデレラストーリーの第1歩を歩み始めた。ルーキーで、プロとしてレギュラーツアーに初出場した西沢歩未(22=フリー)が、67の好スコアで2位発進した。6バーディー、1ボギーで5アンダー。6アンダーで首位の岡山絵里とは1打差から、第2ラウンドに臨むことになった。茨城・明秀学園日立高を卒業後、昨年11月に5度目のプロテスト受検で合格。アマチュアでは目立った成績を残せず、初めて大勢の報道陣に囲まれたといい「緊張します。プレーは、いつもやっているので」と、初々しく笑顔を見せながら、喜びをかみしめた。
ホールアウト後に「上白石萌歌さんに似ていると言われたことはあります」と、恥ずかしそうに打ち明けたが、整った目鼻立ち、上品な言葉遣い、何よりも透明感は“本家”に勝るとも劣らない雰囲気が漂う。下部のステップアップ・ツアーでも、今季は8試合に出場して最高成績は2試合でマークした44位。残る6戦は予選落ちだった。
それでも2月には主催者推薦で、今大会の出場が決まっていただけに、心待ちにしていた舞台。動画で確認し、今週に入ってから修正したスイングが奏功し、インスタートの前半、15番パー4の第2打を1・5メートルにつけて最初のバーディーを奪うと、アウトコースの後半は5バーディーを量産。勢いに乗ったまま、第2ラウンドに臨むことになった。
アマチュア時代、レギュラーツアーは計4試合に出場したが、全て予選落ちだった。22年の3度目のプロテストでは最終まで残れず、2次で落ちたショックから、1カ月、クラブを握らず、ゴルフを辞めようとも考えた。それでも、レギュラーツアーデビュー戦で、いきなり優勝のチャンスが巡ってきた。これまでのプロテスト合格後の最速優勝は、笹生優花のデビュー2試合目。西沢がそれを上回る、88年のツアー制施行後としては初のデビュー戦優勝の期待が懸かる。「目標スコアをつくるとダメになる。優勝というより、ここでどんなプレーをできるか楽しみ」。“シンデレラ候補”は、目をキラキラと輝かせながら第2ラウンド以降を見据えていた。