<ボクシング:プロボクシングWBO世界ウエルター級>◇19日◇東京・大田区総合体育館◇観衆3200人世界初挑戦のWBO世…

<ボクシング:プロボクシングWBO世界ウエルター級>◇19日◇東京・大田区総合体育館◇観衆3200人

世界初挑戦のWBO世界ウエルター級2位佐々木尽(23=八王子中屋)が失神KOで敗れ、王座獲得を逃した。同級王者ブライアン・ノーマン(24=米国)に挑戦したが、計3度のダウンを許して5回0分46秒、KO負けを喫した。同回開始すぐに左フックを浴び、キャンバスに大の字で倒れ込んで敗退。担架で運ばれると病院に救急搬送された。過去に日本人世界王者ゼロという同級の世界挑戦となったが、佐々木は日本ボクシング界の歴史を変えることはできなかった。

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2度目防衛に成功した王者ノーマンは最後まで冷静沈着だった。1回に左フックで2度のダウンを奪うと左フック、右ストレートなど軸に追い詰めた。5回に佐々木の右ガードが外れている瞬間を狙い、がら空きの相手顔面に左フックを打ち込んでダウンを追加。ノーマンは「彼は自分に向かってきた。真のファイターだ。強い戦士で価値ある選手。まだ未来がある。また日本で試合がしたい」と挑戦者に敬意を表すなど、興奮したそぶりもなく淡々と振り返っていた。

◆ウエルター級の人気選手 ヘンリー・アームストロング(米国)は1930年代に19連続防衛を誇る。「殺人ハンク」と呼ばれ、世界3階級同時制覇も達成。40年代には「拳聖」シュガー・レイ・ロビンソン(米国)が人気に。80年代にはトーマス・ハーンズ(米国)、ロベルト・デュラン(パナマ)、シュガー・レイ・レナード(米国)が黄金時代を築いた。90年代に入るとオスカー・デラホーヤ、パーネル・ウィテカー(ともに米国)、フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)が活躍。00年代にはフロイド・メイウェザー(米国)、マニー・パッキャオ(フィリピン)が君臨。20年代はテレンス・クロフォード(米国)が4団体統一を果たした。