ボクシングWBO世界ウエルター級2位佐々木尽(23=八王子中屋)が日本ボクシングの歴史を変える大一番に挑む。19日、東京…
ボクシングWBO世界ウエルター級2位佐々木尽(23=八王子中屋)が日本ボクシングの歴史を変える大一番に挑む。19日、東京・大田区総合体育館で同級王者ブライアン・ノーマン(24=米国)に挑戦する。18日には横浜市で前日計量に臨み、両者そろってリミットでクリアした。同級世界戦の国内開催は約36年ぶりで、日本人の同級世界戦も約16年ぶり。過去に日本人4選手で計5度という少ない挑戦機会で、世界王者もゼロという難攻不落の激戦階級で、佐々木が世界一を目指す。
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世界初挑戦とは思えない堂々たる態度だった。計量後、佐々木がノーマンと至近距離でフェースオフ(にらみ合い)を展開。関係者らの制止も気にせず、約28秒間、火花を散らした。ノーマンから視線を外して苦笑いを浮かべるほどの熱さをみせた佐々木が言った。
「見合った感じで俺のが強いと感じた。(王者は)不安なのか、びびっているのか。目を外しているんじゃねえと。目は絶対に外さないと思った。このまま1日やってやる気持ちで。かわいそうに。倒してやる」
前日17日の公式会見では「客観的にみたら8-2ぐらいで自分が勝つ」と話したが、計量後に「100%になった」と自ら上方修正した。「目は人の脳の出る場所だと思うし、レベルが分かる。見ただけで生物的レベル、動物として俺の方が強いと。技術よりも生物的な強さで明日は勝敗がつく」と言い切った。
同級の国内世界戦開催は89年12月、WBA世界同級王者マーク・ブリーランド-尾崎富士雄戦以来で、日本人の世界挑戦も09年10月、ウクライナでのWBA世界同級王者ビアチェスラフ・センチェンコ-佐々木基樹戦以来だ。世界挑戦も過去4人のみという激戦区の階級となる。ミニマム級からミドル級まで13階級で102人の世界王者が誕生した日本で、ウエルター級は今だ誕生していない。
「昨日、いきなり楽しくなって自信が広がった。(ノーマンに)会って勝てると思ったから」と佐々木。日本ボクシング界の歴史を変える本気度はマックスに達した。【藤中栄二】