ボクシングWBO世界ウエルター級2位佐々木尽(23=八王子中屋)が、自ら高い勝率を示し、下馬評を覆す世界奪取に自信をみせ…

ボクシングWBO世界ウエルター級2位佐々木尽(23=八王子中屋)が、自ら高い勝率を示し、下馬評を覆す世界奪取に自信をみせた。19日、東京・大田区総合体育館で同級王者ブライアン・ノーマン・ジュニア(24=米国)に挑戦する。17日には横浜市で公式会見に出席。周囲の劣勢予想をあえて歓迎し、自身が勝つ可能性を「8-2」と予想した。3月以来の再会となった難敵とは約23秒間、近距離でにらみ合いを展開し、ピリピリ感を漂わせた。

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具体的な数字まで示し、佐々木が劣勢ムード払拭(ふっしょく)を図った。海外ブックメーカー(懸け屋)となる英大手ウィリアムヒルでは4・00倍の佐々木勝利に対し、ノーマン・ジュニアの勝利に1・25倍がついた。6月13日に行われた公開練習では、王者が破壊力とキレのあるパンチ、軽快なステップを隠すことなく披露。ファンからも挑戦者不利の声が上がった。

しかし佐々木は「厳しいという声がすごく多いが、それがめっちゃうれしい。勝った時、そっちの方が盛り上がる」と笑みを浮かべた。自信に満ちた表情に顔を変えると「勝率は客観的に見たら8-2ぐらいで自分が勝つなと思う。普通に勝てるなと。勝った後の盛り上がりが楽しみ」と揺るぎない手応えを口にした。

公式会見にはノーマン・ジュニアのWBO王座ベルトが飾られた。風格を見せる相手を横目に「日本にベルトを置いていってくれてありがとう、と(言いたい)。ここで勝つのは僕。ノーマン・ジュニア選手がベルトに見えて仕方がない。ノーマン・ジュニア選手が欲しくてたまらない。絶対に勝ちたい」とベルトを巻く試合後を思い浮かべた。

日本ジム所属選手では、ミニマム級からミドル級までの13階級でウエルター級だけ日本人世界王者がいない。欧米人の平均体格、で過去には米国人を中心とした有名選手が多数誕生してきた。日本人の世界挑戦さえ難しい激戦区の階級だ。佐々木は「2日後、日本の歴史を動かす」と有言実行で世界王座奪取を成し遂げるつもりだ。【藤中栄二】