柔道女子52キロ級で世界選手権(ブダペスト)金メダルの阿部詩(24=パーク24)が16日、羽田空港に帰国した。5度目の優…

柔道女子52キロ級で世界選手権(ブダペスト)金メダルの阿部詩(24=パーク24)が16日、羽田空港に帰国した。5度目の優勝を果たし、28年ロサンゼルス五輪に向けて「最高のスタートと言っていい」と喜んだ。

24年パリ五輪では、まさかの2回戦敗退。「先の見えない時期もあった」と振り返る。昨年11月に世界選手権への出場を決断。本来の実力を披露し、決勝でクラスニチ(コソボ)を背負い投げ。雪辱を果たし、世界女王に返り咲いた。「五輪の負けがあったから、モチベーション高く優勝できた。今までと違う安堵(あんど)感、達成感があった」。涙も見せたが「ほっとした。純粋にうれしかった」と笑顔で振り返った。

兄の一二三(27=パーク24)からは「強い選手に勝っての優勝。うれしく思う」と称賛された。兄は男子66キロ級準々決勝で、隣の畳で敗れた。同階級では5年10カ月ぶりの黒星となったが「意外と重く感じていなかった。落ち込んでいる様子はなかった。気持ちを切らさずに戦って、持っている強さが違うと感じた」とたたえた。

世界一の座を奪還したが、次の目標がある。「ロスへの第1歩になった。五輪で優勝したい。さらに強くなりたい」。12月6、7日(東京体育館)のグランドスラム東京への出場を予定しており「優勝して次につなげたい」と意欲を見せたあ。【飯岡大暉】