前川は昨年キャリア初の1軍完走となった(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext セ・リーグ首位の阪神が苦し…

前川は昨年キャリア初の1軍完走となった(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 セ・リーグ首位の阪神が苦しんでいる。

 6月15日の楽天戦(楽天パーク)に延長12回を戦い、2-3の逆転負け。西武、楽天に2カード連続同一カード3連敗となり、3年ぶりのチーム6連敗と厳しい戦いが続く。

【動画】チームにはこの打撃が必要!ファームで打ちまくっている前川

 15日のゲームでは救援の及川雅貴を7回から2イニング、守護神の岩崎優を9回から2イニングといずれも異例の回またぎ継投と藤川球児監督も執念の采配を見せたが、2-2で迎えた延長12回に4番手の湯浅京己が一死一、三塁から代打で出た黒川史陽にサヨナラの内野安打を許し、2試合連続のサヨナラ負けとなった。

 2-2で迎えた延長11回には先頭の佐藤輝明が中堅後方へ大飛球を放ち、確信歩き。単打に終わるというボーンヘッドもあった。この回は佐藤輝、大山悠輔の連打で無死一、二塁の形を作るも高寺望夢が送りバントを決められず。フルカウントでバスターに切りかえるも左飛に倒れた。続く代打の糸原健斗、梅野隆太郎も凡退と好機を得点に結び付けられず。

 10日から続く6連敗の中で3点以上を奪ったのは14日のゲーム(4点)のみとあって、流れを変える意味でも起爆剤となる選手も求められそうだ。

 その意味ではファームで調整を続けるロマン砲・前川右京も注目となる。

 「6番・左翼」で開幕戦を飾った若虎は4月は自己最長の14試合連続安打、打率.308と好調をキープするも5月に入って、打率.093と急失速。

 5月22日に2年ぶりとなるファーム落ちとなると再びの上昇気流をつかむために必死にバットを振った。ウエスタンリーグの試合では、そこまで面識のなかった、球界屈指のスラッガー、ソフトバンク・近藤健介にも助言をもらうなど、もがいている様子も伝えられた。

 今季が高卒4年目シーズン、入団時から頑健な身体、優れたバットコントロールで知られており、昨年はキャリア初の1軍完走。6月16日のソフトバンク戦では相手先発、石川柊太からプロ初となる豪快なグランドスラムを放ったことも話題を集めた。

 ファームで最近は、一塁守備に取り組んでいることも伝えられている。ウエスタンリーグでは12試合に出場、打率.432、長打率.703、OPS、1.265(14日現在)と別格の成績を残している。

 前川をめぐってはファンの間からも「合流、まだか」「そろそろ、1軍で見たくないですか」「1軍、期待してるで」など待望論も根強い。

 果たして背番号58が1軍再合流となったときはV奪回を目指すチームのどんなピースを担うのか。今後も注目の存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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