<国内女子ゴルフツアー:宮里藍サントリー・レディース>◇最終日◇15日◇兵庫・六甲国際GC(6558ヤード、パー72)◇…
<国内女子ゴルフツアー:宮里藍サントリー・レディース>◇最終日◇15日◇兵庫・六甲国際GC(6558ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝2700万円)◇曇り、気温25・2度、西南西の風6メートル
98年度生まれ「黄金世代」の高橋彩華(さやか、26=フリー)が3年ぶりのツアー通算2勝目を飾った。首位から出て3バーディー、1ボギーの70で回り、通算16アンダーの272で逃げ切った。女子人気を支えてきた黄金世代は、若手の突き上げを受けるなど今季13試合目で初勝利だった。高橋と1打差2位の岡山絵里(29)、さらにその他の資格で計5人の日本勢が、7月31日開幕の全英女子オープンの出場が決まった。
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1メートルのパーパットを沈めた瞬間、高橋の目に涙があふれた。「18番グリーンに来るまで、リーダーボードを一切見てなくて。最後に1打差リードと知って、『神様、どうか入ってください』という感じだった」
1組前でホールアウトしていた2位岡山との1打差を守り、23歳で初優勝した22年フジサンケイ・レディース以来の頂点に立った。
「1勝目より2勝目の方が難しいと聞いていた。この3年は勝てなさすぎて、長かった。(最大の勝因は)自分の実力を信じ抜けたことかなと思う」
現在パーセーブ率は1位、パーオン率、リカバリー率が2位。派手さはないが正確で堅実なショットをベースに、ボギーはこの4日間で3つだけ。ギャンブルを避けるコースマネジメントを含め、総合力を積み重ねてきた。
表彰式では水色の優勝ジャケットを、憧れの元世界ランキング1位で大会アンバサダーの宮里藍さん(39)から贈られた。
新潟・開志国際高を卒業した17年、まだアマチュアだった18歳でこの大会に出場。予選の2日間で一緒に回ったのは、国内引退試合だった宮里さん。
「8年前に一緒に回らせてもらい、ジャケットをかけてもらえる立場になって胸が熱くなった。藍さんは神様のような人」
女子人気を定着させた98年度生まれは、海外で活躍する渋野日向子らを含めて黄金世代と呼ばれる。だが昨季は5人で6勝を挙げたものの、今季は13戦目でようやく初勝利。若手世代の突き上げを食らう。
「やはり(世代で今季)初勝利はうれしい。みんなで頑張ろうと思う。私は年間複数優勝がしたい」
この優勝で全英女子オープンへ。3年前に予選落ちしたメジャー舞台で、渋野らと黄金世代を世界にアピールする。【横田和幸】
◆高橋彩華(たかはし・さやか)1998年(平10)7月24日、新潟市生まれ。父剛さん(52)の指導で10歳からゴルフを始める。新潟・開志国際高では北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ金メダル平野歩夢と同学年。日本ウェルネススポーツ大卒。18年7月、2度目の挑戦でプロテスト合格。22年フジサンケイ・レディースで初日から首位を守る完全優勝。趣味は音楽鑑賞。愛称「さや姉」。162センチ、55キロ。