アマチュア相撲を統括する日本相撲連盟は14日、都内で評議員会、理事会を開き、トヨタ自動車会長の豊田章男氏(69)を、満場…

アマチュア相撲を統括する日本相撲連盟は14日、都内で評議員会、理事会を開き、トヨタ自動車会長の豊田章男氏(69)を、満場一致で新会長に選出したと発表した。任期は2年。豊田氏は、9日付で日本相撲協会を退職した元横綱の白鵬翔さん(40)を、現役時代から支援していた。日本連盟会長は、アジア連盟の会長を兼務するため、この日付で両連盟の会長に就任。さらに9月に役員改選が迫る、国際連盟の会長に就任する可能性もある。白鵬さんが目指す「世界相撲グランドスラム」構想が、急速に進展しそうな気配だ。

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わずか5日で世界が変わり始めた。白鵬さんが9日に会見してから、せきを切ったように相撲界の様相が変化。象徴的な出来事としてこの日、日本相撲連盟の会長に豊田氏が就任した。理事会後に会見した同連盟の勝田晃三副会長は「豊田さんに意欲があった。白鵬との関係が、ないとは言えない。連盟としては豊田さんは新会長にふさわしいと考えたから。強力なリーダーを迎えた」と説明した。ちょうど白鵬さんが退職を考え始めた今春、豊田氏が新会長就任に意欲を見せ始めたと併せて明かした。

白鵬さんは会見で「今後は相撲を世界に広めるプロジェクトを中心に活動したい」と語っていた。アマチュアや女子にも門戸を開放した「世界相撲グランドスラム」の構想を発表していた。この日、白鵬さんが都内で開いたパーティーで、構想の一端が明かされた。そこには自身が毎年開催する少年相撲大会「白鵬杯」と、国際連盟が開催する世界選手権を「進化」させた先に「世界相撲グランドスラム」を開催する計画。関係者によると「テニスのグランドスラムのような位置付けを目指している」と、世界中が憧れる大会の新設を目指しているという。

豊田氏が満場一致でこの日、日本連盟会長に就任したことで、同時にアジア連盟の会長に就任したことも判明した。3期6年務めた前会長の南和文氏が、依然として会長を務める国際連盟は9月に役員改選。豊田氏は、これも兼務する可能性が高い。現役時代から変わらず、支援を受けている白鵬さんは「ありがたい。9月のタイ大会から協力してもらえれば」と、バンコクでの世界選手権から、協力関係を築いていきたい考え。同選手権も「当然!」と現地視察を約束。豊田&白鵬の両氏のタッグで、相撲界は国際化にかじを切ることになる。【高田文太】