96年アトランタ五輪ミドル級日本代表で、04年アテネ、08年北京、12年ロンドンの五輪3大会で日本代表監督を務めた本博国…

96年アトランタ五輪ミドル級日本代表で、04年アテネ、08年北京、12年ロンドンの五輪3大会で日本代表監督を務めた本博国氏(55、自衛隊体育学校ボクシング班監督)が14日、新潟市主催の「にいがたスーパージュニア育成事業」の講師として来県し、新潟向陽高で小、中、高校生ボクサー100人を指導した。

本氏が新潟のジュニア世代と指導の場で接するのは初めて。「皆さんが普段練習している動きを見ながら、気がついたことをお話しさせてもらいます」と1歩引いた視点から指導をスタート。さっそくウオーミングアップでひじを回す動作、足を上げた反動でパンチを放つ動きに対し「ひじの関節をしっかりほぐす、体幹を使ってパンチを出す。その意識を持たないと、ざるで水をくむようなもの」と鋭く指摘をした。

北信越高校総体(20~22日、新潟市)に出場する選手同士の模範スパーリングではメモを片手に視線を送った。終了後、「カウンターは手ではなく、体を回して打つ」「相手が打って来る時は空間が生じる。そこに何かを仕掛けると有効打が生まれる」とアドバイス。全国高校総体ライトウエルター級代表の小山寛睦(新潟向陽3年)は「いきなり得意なパンチを出すのではなく、相手を細かく揺さぶってから打つように、と言われた」。そして「全国総体に生かしたい」と話した。

「これだけ人数が集まって練習できるのはいい環境」と、本氏は県のジュニアボクサーの多さに関心を示し、「センスのいい選手が散見される」とレベルの高さも認めた。「基本が大切。常に立ち返って練習に取り組んでもらいたい」と期待を寄せた。【斎藤慎一郎】