◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(10日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)ブライソン・デシャンボーは名実ともにLIVゴルフの顔と言っていい選手だ。主戦場で世界ランキングのポイント加算がないにもかかわらず…

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(10日)◇オークモントCC(ペンシルベニア州)◇7372yd(パー70)
ブライソン・デシャンボーは名実ともにLIVゴルフの顔と言っていい選手だ。主戦場で世界ランキングのポイント加算がないにもかかわらず、現在のランク10位はもちろんリーグで最上位。そのポイント獲得の決め手となっている、移籍後のメジャーにおける活躍もすさまじい。2022年7月に新天地へ移って以降に出場したメジャー11試合で7度のトップ10入り。昨年「全米オープン」では大会2勝目を飾った。
開幕2日前、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ会見の席で飛んだ質問は多岐にわたった。そのひとつがLIVとの契約について。「えーと、どう言ったらいいかな…」とわずかに逡巡した後で「(現在の契約は)来年で終わりだ」と明かした。
とはいえ、それがLIVとの決別を意味するものではない様子。「彼らは僕の価値を認めてくれている。僕は彼らが提供できるものに価値を見出している。今年いっぱいで交渉をまとめたいと思っている。将来がとても楽しみだ」。タイガー・ウッズとロリー・マキロイ(北アイルランド)の発案で今年からスタートしたインドアゴルフの新リーグ「TGL」も引き合いに出しながら、「僕らのチーム(クラッシャーズGC)は過去2年間、『EBITDA(営業利益に減価償却費を加えて算出した値)』がプラスだった。TGLのように成長し、正しい方向に進み始めている」とビジネス的な側面での手応えもにじませる。
「いま世界で最もタフなコース」というオークモントCCでの練習ラウンドの様子を収めた動画を自身のYouTubeチャンネルのコンテンツとして展開してファンを喜ばせ、今週も新たなアイアンを投入するなどギアの研究にも余念がない。アイデアマンとしての才能は、スケジュールに比較的余裕のあるLIV所属だからこそ十二分に発揮されている側面もあるだろう。
「ゴルフがこれからどうなっていくのか。その未来にワクワクしているよ」。我が道を行く男が大会連覇&3勝目の偉業に挑戦する。(ペンシルベニア州オークモント/亀山泰宏)