◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権大会 2日目(23日)◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲C(岐阜)◇7337yd(パー72)◇晴れ(観衆1677人)最終9番、ショーン・ノリス(南アフリカ)の第2打はわずかにグリーン右奥へこぼれた。パターでは…

◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権大会 2日目(23日)◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲C(岐阜)◇7337yd(パー72)◇晴れ(観衆1677人)
最終9番、ショーン・ノリス(南アフリカ)の第2打はわずかにグリーン右奥へこぼれた。パターでは狙えなくても、ピンまで15ydほどの悪くないアングル。2年ほど前から、最初は練習として取り入れていたクロスハンドのアプローチを「キャリー50ydの距離まで」を目安に試合でも実践するようになった。スムーズに振ったロブウェッジでボールを拾い、最後のひと転がりでカップに落ちるチップインバーディを決めた。
11アンダー「61」の大爆発で通算15アンダー。「日本プロ」では尾崎将司が1991年(栃木・プレステージCC)の最終日にマークした大会記録に並んだ。「ジャンボさんに並べたことはすごくうれしい。彼の功績はすごく偉大なもの。それに続いていけるように、これからも頑張っていきたい」と喜びをかみ締めるように言った。最後はチップインだったが、11個を量産したバーディのほとんどは3~4.5mのパットを沈めていったもの。18ホールを合計わずか18パットで駆け抜け、こちらもツアー最少タイだった。
昨季最終戦の「日本シリーズJTカップ」を制し、日本ツアー選手権(2017年)、日本オープン(2021年)に続く3つ目の日本タイトルを獲得した。日本プロゴルフマッチプレー選手権が国内メジャーとして開催されていた時代は5人が記録した日本タイトル4冠も、2000年創設の日本ゴルフツアー選手権を含めると片山晋呉ただ一人。「マネジャーさんから、この試合(日本プロ)に勝てば“グランドスラム”になるというのは伝えられていて、僕も分かっている。そういう風に優勝できれば最高だよね」と王手をかけている意識はもちろんある。
3月に母国開催の欧州ツアー「ヨハネスブルグオープン」ではプレーオフに残りながら、バンカーからのショットで足を滑らせて池に打ち込み、涙をのんだ。「終わった後はショックだったけど、徐々に傷も癒やされてカムバックできている」と状態が上がっている手応えもあった。
2勝を記録している欧州をフィールドに戦う選択肢もありながら、日本を主戦場にし続けるのは「やっぱり日本でプレーすることが好き。移動が非常に楽だということもあるけど、文化も食事も大好きだから」。転戦に便利な宅配便もお気に入り。大好物を問われると、「ヤキニク!タベホウダイ!」と笑顔で即答した。愛する異国の地で、快挙に挑戦する。(岐阜県揖斐川町/亀山泰宏)