◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権大会 初日(22日)◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲C(岐阜)◇7337yd(パー72)初日最も長い239ydのパー3となった後半7番、ティイングエリアの山下勝将は冷静だった。グリーンに向かって大きく打ち下…

◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権大会 初日(22日)◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲C(岐阜)◇7337yd(パー72)
初日最も長い239ydのパー3となった後半7番、ティイングエリアの山下勝将は冷静だった。グリーンに向かって大きく打ち下ろす一打。3Iにクラブを持ち替え、ティマーカーより少しだけ下がって繊細に距離を調整する。ピンへ真っすぐ飛んだボールは手前にキャリーして下り傾斜を転がり、1mほどについた。同組の河本力が「入れ!」と声に出したほどの完璧なショット。「さすがに長いんで、距離が…。(エースを)狙ってるとかではないですけど、ホントに狙い通りのショットでした」と笑った。
2022年「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ in ふくしま」で下部ツアー史上7人目のアマチュア優勝を遂げた22歳。ツアー出場経験も少なくないとはいえ、プロとしてはこれがデビュー戦だ。大会を主催する日本プロゴルフ協会の資格認定プロテストで昨年トップ合格を果たしての出場だったこともあり、予選ラウンドでツアー2勝の河本、前週優勝の金子駆大というレギュラーツアーの主力メンバーと回るペアリングにも恵まれた。
特に金子とは同学年で旧知の間柄とあって「いい雰囲気でできました」。出だし10番のボギー先行から、「早くなるクセがある」というスイングのタイミングを修正して1アンダー「71」にまとめられたのは、同組で伸ばした2人の“先輩プレーヤー”の存在も大きかったかもしれない。
待ちに待ったプロ初戦までは、地元関西で毎日のように練習に明け暮れた。今季から米ツアーに挑戦する姉・美夢有とも、一時帰国中などタイミングが合えば一緒にコースへ。本大会前も次週に「全米女子オープン」を控える姉とともに、コーチである父・勝臣さんからみっちり指導を受けてきたばかりだ。
最高峰の舞台で戦う姉が求めるハードルは、勝将にとっても刺激になるもの。「いつも日本に戻ってくると『簡単なコースで、あんた何してんねん!』みたいに言われます」と笑う。スタート前のドライビングレンジで使う弾道計測器も、その背中を見習って取り入れた。「姉がトラックマンとかGC4(クアッド)で『何ヤード打つ』って(決めて)練習して、縦距離を合わせていた。僕も必要やな、と」
1アンダー49位から、まずは決勝ラウンドを目指す2日目のプレーになる。「明日は午後からなので、風はちょっと強くなると思う。もう少しショットを修正して、外れた時のリカバリーができるようにアプローチとパターを練習して挑みたい」。やはり冷静に、やるべきことを見据えた。(岐阜県揖斐川町/亀山泰宏)