<高校野球春季関東大会(日刊スポーツ新聞社後援):横浜3-2浦和学院>◇準々決勝◇21日◇ノーブルホームスタジアム水戸横浜(神奈川1位)が浦和学院(埼玉1位)に競り勝ち、9年ぶりの4強入りで昨秋から続く公式戦連勝記録を27に伸ばした。最速1…

<高校野球春季関東大会(日刊スポーツ新聞社後援):横浜3-2浦和学院>◇準々決勝◇21日◇ノーブルホームスタジアム水戸

横浜(神奈川1位)が浦和学院(埼玉1位)に競り勝ち、9年ぶりの4強入りで昨秋から続く公式戦連勝記録を27に伸ばした。最速152キロ右腕の織田翔希投手(2年)が先発し、8回途中まで試合をつくった。終盤に詰め寄られると、打者のカウント途中で小刻みに継投して振り切った。山梨学院(山梨1位)は東海大相模(神奈川2位)に勝ち、4強入りした。

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迷いなく交代する横浜の野球が光った。外野に就いていた織田が2点リードの最終回、再びマウンドへ上がると、1死からソロ本塁打に中越え二塁打を打たれた。次打者をカウント0-2と追い込んだ場面で、チェンジアップが得意な山脇悠陽投手(3年)へ。山脇が1球で見逃し三振に仕留めると、次打者のカウント1-1で次は池田聖摩投手(2年)へスイッチ。フォークで右飛に抑え、浦和学院の反撃を封じた。8回2死三塁で織田から片山大輔投手(3年)に交代したのもカウント1-1からで、ピンチをしのいでいた。

カウント途中の交代で、打者を翻弄(ほんろう)した。村田浩明監督(38)は「浦和学院さんの対応力はさすが。終盤でしっかり捉えてきたので、織田の体力も見ながら交代させた。カウント途中で投手が代わるのは打者としては嫌。でも嫌なことをやっていかなければ」と捕手目線でジャブを打ち、積極的に振ってくる打者の目線を外した。捕手として活躍した同監督だからこその采配だった。

準備力が強さを際立たせた。投手からすれば、カウント途中の交代は投げにくくないのか。片山は「どんな状況でもやるべきことを徹底する。日ごろから2ストライクを想定して練習はしてきた」。池田も「自分は準備ができているので大丈夫です」と胸を張った。村田監督は「全員野球が少しずつ形になってきている」と手応えを口にした。センバツとは違う強さを一戦ごとに蓄えている。【保坂淑子】