スコッティ・シェフラーはただ単に5打差で「全米プロゴルフ選手権」を制したのではなく、新しいドライバーをバッグに入れてそれをやってのけた。クエイルホロークラブでは、SiriusXM PGAツアーラジオが、ロリー・マキロイ(北アイルランド)ら…

スコッティ・シェフラーはただ単に5打差で「全米プロゴルフ選手権」を制したのではなく、新しいドライバーをバッグに入れてそれをやってのけた。
クエイルホロークラブでは、SiriusXM PGAツアーラジオが、ロリー・マキロイ(北アイルランド)ら一部選手のドライバーが、大会前に全米ゴルフ協会(USGA)の実施した用具テストで不合格になったと報じたことから、ギアのテストが大きな話題となった。キャラクタリスティック・タイム(CT)テストと呼ばれるこのテストでは、ドライバーフェースの反発効果を測定する。クラブは継続的に使用されることで徐々に摩耗するため、これは経年変化する特性となっている。
マキロイは4日間全てのラウンド後の取材を拒否しており、この報道についてはコメントしていない。クエイルホロー入りするまでに4勝を挙げていたマキロイだが、47位タイで終えた今大会でフェアウェイをとらえたのは、56ホール中26ホールに留まった。なおこのCTテストは、メジャーやPGAツアーの大会では定期的に行われている。
シェフラーは全米プロで3度目のメジャー制覇を遂げた後、週の初めにドライバーが不適合と判断された選手のグループに自身も含まれており、新しいドライバーヘッドを使用することになったと明かした。「確かに、今週、僕のドライバーは不合格となった。僕らはこうなることをうすうす感じていたんだ。1年以上使っていたからね。そこまで長持ちしたことが幸運だったと感じていたよ」
全米プロは全米プロゴルフ協会(PGAオブ・アメリカ)の主催だが、用具の性能などの管理はUSGAとR&Aにより監督される。全米プロゴルフ協会は大会3日目に、現地で行われたテストのプロセスに関する声明を発表したが、選手の名前については触れなかった。
大会最高責任者のケリー・ヘイは、「全米プロゴルフ協会の要請により、USGAが全米プロゴルフ選手権に招かれクラブのテストを行ったことを認めます。このテストプログラムは、USGAがPGAツアーやその他の選手権において、ドライバーテストの定期プログラムの一環として提供しているものと同レベルの支援を受けて行われます。このプログラムでは、ランダムに選ばれたフィールドの約3分の1がテストの対象となるのが標準的なプロセスです。今週のクエイルホローでも、その通りに実施されました」と記した。
「適合ラインをオーバーしたドライバーヘッドを発見することは、特にクラブが長期間使用される中で何千回と打たれているため、珍しいことではありません。テストの結果は、クラブが適合から外れていたことに気付かなかったとしても、クラブで何千回と打つこと以外に責任を負わない選手たちを守るため、機密となります」
「選手たちは単に必要に応じてヘッドの交換を求められるだけであり、これは問題なく行われています。クラブが適合でなかった選手を公に特定することで、その選手が不必要に追及される恐れがあります。USGAも全米プロゴルフ協会も、選手の意図については一切懸念していません」
シェフラーは練習や競技での継続的な摩耗により、最終的にドライバーが不合格となることに対して準備していたと明かした。「準備は整っていたんだ。実際、バイロン(優勝したザ・CJカップ バイロン・ネルソン)の週ではスペアを調達することに専念したんだ。さっきも言ったように、僕らの準備は万全だった。そこまで大きな問題ではなかったね」
この用具変更がシェフラーを失速させることはなかった。彼は全米プロで56ホール中35ホールでフェアウェイをキープし、ストロークゲインド・オフ・ザ・ティで5位に入った。実際、シェフラーによる勝者としてのフィードバックは、テストのプロセスに向けられたものではなく、むしろ、競技委員は用具テストの範囲を広げるべきだとの考えに基づいたものだった。
「ドライバーを検査するのであれば、その検査方法をより断固たるものにするべきだと僕は思うんだ。現時点では、道半ばのところにいると感じている。これは新しいルールであり、僕らはまだ完全にこれを把握できていない。いくつか解決すべき点があると思う。やるのであれば、正しいやり方で、より厳格に実施すべきだね。必要とあらば毎週検査しても構わない。そうしてはならない理由はないよね」とシェフラーは述べている。
(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)