プロボクシング世界王者で構成される世界チャンピオン会が19日、ファンと交流する「懇親の夕べ」を開催した。1952年5月19日、白井義男が日本初の世界王者になったことを記念した「ボクシングの日」に合わせて行われ、元世界2階級制覇王者ファイティ…
プロボクシング世界王者で構成される世界チャンピオン会が19日、ファンと交流する「懇親の夕べ」を開催した。
1952年5月19日、白井義男が日本初の世界王者になったことを記念した「ボクシングの日」に合わせて行われ、元世界2階級制覇王者ファイティング原田氏(82)や元WBA世界ライトフライ級王者具志堅用高氏(69)ら男女合わせて計41人の元世界王者が集結。日本人初のIBF王者となる元IBF世界バンタム級王者新垣諭氏(61)が珍しく公の場に登場した。
元WBC世界スーパーライト級王者で世界チャンピオン会の浜田剛史会長(64)の要請を受け、沖縄県から上京。同じ沖縄水産高の先輩から「新垣は世界チャンピオン会の一員から参加してほしい」とのオファーを受けて参加した。浜田会長は冒頭のあいさつの中で「1人紹介します。新垣論くん。当時、高校王者になっていてプロ入りするなら帝拳ジムという風に思っていましたが、当時のボクシング部監督から『船に乗る』と聞いていましたからそれはそれで良いだろうと思ったが、『新垣、プロ転向。契約金1000万円』というニュースが流れました。当時の1000万円で相当、話題になりました」とエピソードを明かした。
さらに浜田会長は「私もびっくりして沖縄の関係者に連絡した。新垣は親孝行のためにプロ転向すると。親を楽にさせたいということでプロをやるということでした。今の話は新垣くんに確認しないまま話したのですが、新垣、今の話は間違いないかな?」と確認。すると新垣は「その通りです」とうなずいた。
新垣氏は84年4月、IBF世界同級王座決定戦でエルマー・マガラーノ(フィリピン)と拳を交え、8回TKO勝ちし王座獲得に成功。当時、日本ボクシングコミッション(JBC)が承認していた世界団体がWBAとWBCのみだったため、世界王座として認められず、ライセンス停止となった。世界ボクシング界の流れを受け、13年にはJBCがIBFとWBOも国内承認。JBCからも新垣氏からの申請があれば、さかのぼって世界王者として承認するとしていたが、今だ日本公認の世界王者として認められていない。
浜田会長は「JBCは本から申請があれば認めるということだが、新垣からすれば『なぜ自分からお願いしなくてはいけないんだ』という話になっている」と現状を説明しつつ「私は『新垣は世界チャンピオン会のメンバー。5月19日には休みにして来てほしい』と来てもらった」と報告。式途中では、浜田会長の橋渡しで、新垣氏がJBC萩原実コミッショナーとあいさつするシーンもあった。