◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)人もまばらなロープサイドに、乾いたインパクトの音が響く。スコッティ・シェフラー、ロリー・マキロイ(北アイルランド…

22歳の久常涼が4人の日本勢でただひとり決勝ラウンドに進んだ

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(16日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

人もまばらなロープサイドに、乾いたインパクトの音が響く。スコッティ・シェフラーロリー・マキロイ(北アイルランド)、ザンダー・シャウフェレがプレーしたのと同じ時間帯。世界ランクトップ3とはアウト・インで反対側を回った久常涼は耐えに耐えた。

3アンダー9位から出た午後、前半15番(パー5)までに3バーディを稼いだ後に3ボギー。「71」のスコアカードを「なんかもどかしい感じで終わってしまった」と眺めはしたが、ピンチの場面は他にも多くあった。1Wショットを左に曲げた後半3番、前方の木をよけて右から回そうとした2打目はフックがかからず右の林へ。サードショットで花道を伝わせてグリーンにのせ、2パットでボギーに抑えて安どした。

派手なプレーがいっぱいあります!

5番、6番(パー3)と2mのパーパットを沈めて流れを守る。「7番(パー5)、8番とティショットがフェアウェイに行かず良い形にならなかった」とバーディを奪えないまま、1Wで右に曲げた最終9番のボギーフィニッシュが悔しい。22歳は「良いショットもあるけれど、風もあるし、(ボールに)泥も付く。ティショットでアドレスが決まっていないところを、もう少し修正したい」と課題を口にしながら、日本勢トップの18位だった昨年大会に続いて予選を通過した。

メジャーの決勝ラウンドへ

通算3アンダーは首位と5打差の17位。4人が出場した日本勢で、ことしはひとりで決勝ラウンドに進む。昨年までPGAツアー大会の「ウェルズファーゴ選手権」が行われてきたクエイルホロークラブは、今回が初めてのプレー。大会との相性の良さについて「セッティングは自分向きかなとは思う。(曲げても)まだ打てるようなラフではあったりする。プレーしやすい要因は、いくつかあるような気がします」と感じる。持ち前のフルスイングをベースにした、攻撃的なゴルフを受け入れてくれるのがありがたい。

ホールアウト後のインタビューでは海外の記者から珍しい質問を受けた。パットやアプローチの前にキャディから水筒を受け取り、ドリンクを毎回、ひと口飲む仕草について聞かれ、丁寧に説明。国内ツアー時代に取り入れた、気持ちを落ち着かせるルーティンは週末さらに注目されるかもしれない。

グリーン周りからのプレーでは、キャディから一打ごとにドリンクをもらう

「簡単なコースではないから、しんどいだけですけど頑張ります。そんなに悪い位置ではないと思うし、もっと伸ばせるとチャンスは広がってくる」。3日目は欧州ツアー10勝のアレックス・ノレン(スウェーデン)と同じ組で、もちろん1番からティオフ。メジャーの大歓声を浴びにいこう。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)