◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)クリーブランドの「RTZ ウェッジ」がPGAツアーの選手の間でジワジワと“きている”。ことしは契約選手が軒並みスイ…

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)
クリーブランドの「RTZ ウェッジ」がPGAツアーの選手の間でジワジワと“きている”。ことしは契約選手が軒並みスイッチしているほか、今季2勝のセップ・ストラカ(オーストリア)やトップ10多数のシェーン・ローリー(アイルランド)、昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」で優勝したニコ・エチャバリア(コロンビア)らが新しいRTZで活躍。そればかりか、契約外の選手の間でも“いい”という評判が口コミで広がり、使用する選手が増えているのだ。

その一人がリッキー・ファウラー。バッグをのぞいてみると、確かに入っていた。バウンスの少ないLOW(6度)の60度。本人に聞いてみると、「もう数週間、使っているけどソールが好きなんだ。ワイドでローバウンスなんだけど、リーディングエッジを削ってもらっていて、とっても芝との相性がいい。グリーン周りですごく助けてくれる」と気に入っている模様。ゲーリー・ウッドランドも使用している一人で、バウンスの多いFULL(12度)のロフト60度を入れている。

そしてなんと、ジャスティン・ローズ(イングランド)が、プレーオフで惜敗したことしの「マスターズ」をRTZで戦っていたというのだ。まさかあのオーガスタでの絶妙なアプローチの陰にクリーブランドのウェッジがあったとは。どうやら仲のいいローリーに勧められた模様。ローズのモデルは、ウッドランドと同じFULL(12度)のロフト60度。ファウラーやウッドランドと違い、リーディングエッジ側が削られていて、フェースを開きやすくしている。

ツアーでは、ソールの種類がいくつかあるようで、彼らが使うモデルは全てプロトタイプ。ツアーバンで確認すると、市販品とはソール形状が異なるモデルが3種類あった。プロトタイプはバックフェースに入る「TOUR RACK」の文字(またはZIPCOREの文字)が黒色だ。ちなみに、上記二人のほかに、パトリック・リードが60度のLOW(6度)を入れているほか、ダスティン・ジョンソンが今週から50、54、58度の3本を投入した。
なぜ、PGAツアーの選手たちの間でここまで評価が高いのか。ローズにウェッジをすすめたローリーに話を聞いてみた。「長年のクリーブランドのウェッジの中で一番いいよ。何がいいって? とにかく打感がいい。とってもソフトで、スピンがかかりやすい。新しい素材がすごくいいんだよね」と手放しでほめる。ローリーのウェッジはFULL(12度)のロフト58度だ。

プロトタイプといっても、ソールが違うだけで、素材は市販モデルと同じ。歴戦のプロが好む打感、ちょっと打ってみたくなるのは私だけではないだろう。この先のRTZの展開が見逃せない。(ノースカロライナ州シャーロット/服部謙二郎)