◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)開幕前日の午後、練習ラウンドのスタートを待っていた10番ティにサプライズがあった。1カ月前に「マスターズ」を制した…

中島啓太は昨年に続いて「全米プロ」に挑戦

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(14日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7626yd(パー71)

開幕前日の午後、練習ラウンドのスタートを待っていた10番ティにサプライズがあった。1カ月前に「マスターズ」を制したロリー・マキロイ(北アイルランド)が、中島啓太の組に「入ってもイイ?」と急きょ飛び入り参加。イン9ホールの4サムプレーをともにした。

史上6人目のキャリアグランドスラム達成者の登場に、ロープの外は大賑わい。中島は「たくさんギャラリーがいてビックリしました」と周囲からの視線の多さや、マキロイの持ち前の飛距離に驚きつつ、過度に刺激されることはない様子だった。あくまで、11日(日)に始めたコースチェック、練習のワンシーン。「自分のやるべきことに集中できたと思います」と最終調整を淡々と終えた。

ロリー・マキロイと同じ組で練習した

DPワールドツアー(欧州ツアー)2年目の今季は3月の「ポルシェ シンガポールクラシック」、「ヒーローインディアンオープン」で立て続けに2位。ツアー2勝目こそつかめていないが、4試合の「アジアンスイング」期間内のポイントランキングをトップで終えて今大会にたどり着いた。

年間ポイントレース(レース・トゥ・ドバイ)は11位。未勝利の選手ではダニエル・ヒラー(ニュージーランド/6位)、ジャスティン・ローズ(イングランド/9位)に次いで3番目にいる。「優勝争いと予選落ちした試合の(出来の)差が激しいのが不安な要素ではありますけど、全体的に調子は悪くない。『苦手だ』とはっきり思うコースで予選落ちをしているので」と、ルーキーイヤーよりも余裕を持ってシーズンを過ごせている実感がある。

マキロイのプレーを冷静に見ながら練習

今大会終了後は大西洋を渡り、本格化する欧州本土での戦いに没頭する。次週のベルギー(ソウダルオープン)からオーストリア(オーストリアアルペンオープン)、オランダ(KLMオープン)へ。「(メジャーへの)特別な意識はなく、今週は連戦の中の一歩と捉えた方が良いのかなと思っています」。現在108位の世界ランクを上げて、翌週の「全米オープン」(ペンシルベニア州オークモントCC)で米国に戻ってこられれば最高だ。

昨シーズンはPGAツアーの出場権を手に入れられなかった。今季こそポイントレースで有資格者を除くトップ10に入りたい。「もちろん、ことしの目標はシーズン終わって、こっち(米国)に来ること。でも、ヨーロッパツアーはすごく楽しい。慣れてきたので、しっかりやりたいなと思います」。夢の実現は積み重ねの先にある。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)