◇アジアンツアー◇インターナショナルシリーズ ジャパン presented by マオタイ◇カレドニアンGC (千葉)◇7116yd(パー71)アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ」が日本で初開催された。同シリーズはLIVゴルフに…

「インターナショナルシリーズ ジャパン」を制したハーバート。左肩には「LIV GOLF」の文字

◇アジアンツアー◇インターナショナルシリーズ ジャパン presented by マオタイ◇カレドニアンGC (千葉)◇7116yd(パー71)

アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ」が日本で初開催された。同シリーズはLIVゴルフに出資するサウジアラビア政府系ファンドPIFのバックアップにより、2022年からスタートした高額賞金大会で2025年は10試合を予定。シリーズのみでカウントするポイントランキング1位にはLIVゴルフの来季出場権という“特典”がある。

LIVゴルフと関係があるシリーズだけに、今季初戦「インド」にはブライソン・デシャンボーホアキン・ニーマン(チリ)、全英オープン予選会も兼ねた第2戦「マカオ」にはパトリック・リードセルヒオ・ガルシア(スペイン)、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)という“LIV看板選手”が出場。第3戦の日本では、LIVが主戦場のルーカス・ハーバート(オーストラリア)が優勝をさらった。

インターナショナルシリーズ最高責任者のラフル・シン氏

インターナショナルシリーズ最高責任者のラフル・シン氏は今回、日本開催を企画した意図を「我々をまずは知ってほしい。どんな選手がいるのかを知ってほしい」と説明した。シリーズは、2021年まで欧州ツアー競技だった「サウジインターナショナル」で同年にアジアンツアーと10年間のパートナーシップを締結したことから始まった。開催コース選定、経済面などの課題に向き合い、1年がかりで日本開催にこぎつけたという。

シン氏は「世界最大のゴルフ市場のひとつと言える日本での開催は時間の問題と思っていた。時間はかかったが、今回できることをうれしく思う」。今回スポンサーを務めたクェイチョウ・マオタイは中国の高級酒「白酒(蒸留酒)」を製造販売する企業で、10月「LINK香港オープン」、11月「マオタイ・シンガポールオープン」のタイトルスポンサーにも決まっている。

今大会の優勝賞金36万ドル(約5200万円)は、今季3試合を終えた日本ツアーの賞金ランキング1位・小西たかのりの獲得賞金額(4546万7250円)より高く、日本のツアープロにとっても魅力的だろう。また、大会関係者によると最終日はコースから車で約10分のギャラリー駐車場(約600台収容)が「満車」になったという。

シン氏は来年以降の日本開催について明言を避けながらも「そうなることを願う。日本はとても大事なマーケット。また戻ってきたいという姿勢は強く持っているし、我々としてはさらに大きく、より良い大会を開催したい。引き続き成長していくためにも、それぞれの機関や選手らと話し合っていきたい」と話した。

クラブハウス前には国際色豊かな出店が

今回のインターナショナルシリーズがLIVゴルフの日本開催に向けた架け橋になるのか―。日本人でただ一人、LIVメンバーで今大会7位となった香妻陣一朗は言う。

「できたら、日本でLIVゴルフを開催してほしい。もともと実力のある選手が行っているので、今週もLIVの選手が優勝するだろうなと思っていた。(日本開催をするのに)あとはスポンサーだと思うけど、ちらっと(関係者に)聞いた話では、日本にポテンシャルがあるのはLIV側も知っているから、うまい形で(条件が)合えば開催は現実的に近いんじゃないかって」

開幕前日の練習日にはLIVゴルフの前CEOであるグレッグ・ノーマン(オーストラリア)が会場に姿を見せた。仮にLIVゴルフが日本開催を模索しても、PGAツアー(米ツアー)、同ツアーと歴史的につながりが深い日本ゴルフツアー機構(JGTO)との兼ね合いなどもあり一筋縄ではいかないだろうが、インターナショナルシリーズ開催はゴルフファン、業界関係者の興味を引く出来事となった。 (千葉県横芝光町/石井操)