◇米国男子◇トゥルーイスト選手権 最終日(11日)◇ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ (ペンシルベニア州)◇7119yd(パー70)1打リードで迎えた最終18番、セップ・ストラカ(オーストリア)の 1Wショットは左に曲がった。これま…

32歳のセップ・ストラカがシグニチャーイベント初勝利を飾った

◇米国男子◇トゥルーイスト選手権 最終日(11日)◇ザ・フィラデルフィア・クリケットクラブ (ペンシルベニア州)◇7119yd(パー70)

1打リードで迎えた最終18番、セップ・ストラカ(オーストリア)の 1Wショットは左に曲がった。これまで苦手にしていたフェアウェイバンカー。残り212ydの2打目で4Iを握る。「良いコンタクトができた」というショットはグリーンをとらえ、2パットパーで「68」。シェーン・ローリー(アイルランド)との最終組対決を通算16アンダーで制した。

2022年の「ザ・ホンダクラシック」でオーストリア人として初めてPGAツアーで優勝。その年の半ばにジョン・ティレリー・コーチに師事し、23年「ジョンディアクラシック」で2勝目を挙げ、ことしはまさに大ブレークのシーズンになった。1月の「ザ・アメリカンエキスプレス」以来となるキャリア4勝目は、エリート選手が集うシグニチャーイベント(昇格大会)での勝利。世界ランキングで初めてトップ10入り(9位)を果たした。

代役キャディと勝利を喜んだ

「ジュニア時代はいい選手ではなかった」と双子の兄・サムとゴルフに打ち込んだ学生時代を振り返る。ジョージア大では3年生の時にアプローチイップスに陥り、控え選手に回ったこともある。スター街道を歩んできたわけではない。「自分がどのレベルにいようが、とにかく継続性を持って、上達を志した」と胸を張る。

今大会はキャディのデューン・ボック氏が前週、背中に痛みを負ったため、友人のプロゴルファー、ドリュー・マザーズに急きょ代役を務めてもらった。普段はミニツアーでプレーし、「全米オープン」の予選を控える中でも会場に駆けつけてくれた。「ゴルフを何度も一緒にプレーしたことがあるから、安心して任せられた」とストラカ。ウィニングパットを沈めた直後、ボック氏を含む2人のキャディと喜びを分かち合った。

18番グリーンで祝福してくれた人がもうひとり。通算10アンダーの7位でフィニッシュしたロリー・マキロイ(北アイルランド)から9月の欧米対抗戦「ライダーカップ」(ニューヨーク州ベスページブラック)の欧州代表入りに太鼓判を押された。「良いプレーを続ければ出場できると思ってきた。これからもっとポイントを獲得していきたい」。チームの中心選手として米国を相手にする日も近い。(ペンシルベニア州フロータウン/桂川洋一)