◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 3日目(10日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6675yd(パー72) ◇雨(観衆3798人)「いつだろう?もう、だいぶ前です…」と記憶をたどっても、すぐには思い出せ…

31歳の山城奈々が首位と5打差でメジャーの最終日最終組に飛び込んだ

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 3日目(10日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6675yd(パー72) ◇雨(観衆3798人)

「いつだろう?もう、だいぶ前です…」と記憶をたどっても、すぐには思い出せない。山城奈々が1Wショットに悩み始めたのは、8年ほど前になるという。

不振を極めて出場試合数を減らした時期も

右にも左にもミスが出る。キャディバッグに入れた1Wを封印して戦っても、安定して成績を残し続けられるほど甘い世界ではない。「本当にティイングエリアに立ちたくないくらいでした」。2022年末にはQT(予選会)ファーストステージでつまずき、翌年下部ステップアップツアーも5試合しか出なかった。「ちょうどいい機会なのかなって思いながら、休んだり、練習したり…」

小休止こそ挟んでも、諦めることはなかった。「ずっと向き合ってはいたんです。いつか抜け出せるって思いながら…」。先輩プロをはじめ周囲に助言を求めて熱心に耳を傾けた。結局、自分自身の胸にストンと落ちたのは「自分の振りたいように振った方がいい」だった。複数メーカーのモデルをテストする中でも、自らのフィーリングを最も重視するようになり、クラブに合わせて振ることだけはやめた。

1Wが復調し、ゴルフ全体が良くなっていく好循環

2024年10月の下部「ECCレディス」で8年ぶりに優勝を飾るなど2勝を挙げたが、ようやくトンネルの出口が見えてきたのは昨年の終わりごろだったという。今季もレギュラーツアーを戦いながらクラブ調整を続け、コブラのDS-ADAPT LSに黒いコスメのグラファイトデザイン Tour AD DIという組み合わせがハマったのは前週のこと。「(これまでのDIの)オレンジの方が硬く感じたんです」。やはり、自分の感覚を信じた。

「69」で回ったこの日、フェアウェイを外したのは3ホールだけ。1Wが良くなったことがアイアンやパッティングにも好影響を与え、何より「楽しく思いっきりできるゴルフにつながっている」と声のトーンを上げる。

メジャーの大舞台で初優勝がかかる

首位と5打差で飛び込んだ最終日最終組。メジャーで迎える初優勝のチャンスにも「いまできることをやり切りたい」と冷静に話す。それでも、ひそかに抱く思いはある。「藍さんに会えるように頑張る」。この大会の会場でジュニアイベントも開催している同じ沖縄出身の宮里藍さんが、ゴルフを始めるきっかけになった憧れの存在。昨年下部ツアーの優勝翌週、試合の前夜祭で初めて会話を交わして一緒に写真を撮るチャンスにも恵まれた。今度はもっと大きなタイトルを持って2ショットを撮れたら最高だ。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)

コブラのDS-ADAPT LSに黒いDIを組み合わせる