「巨人2-0広島」(30日、東京ドーム) 敵地を染めた橙(だいだい)色のタオルが揺れる中で、広島・大瀬良大地投手は表情を変えることなくスコアボードの「2」を見つめた。「1点もやってはいけない試合だったので、関係ないですね」。五回まで無失点…
「巨人2-0広島」(30日、東京ドーム)
敵地を染めた橙(だいだい)色のタオルが揺れる中で、広島・大瀬良大地投手は表情を変えることなくスコアボードの「2」を見つめた。「1点もやってはいけない試合だったので、関係ないですね」。五回まで無失点の好投や7奪三振には目もくれず、敗戦の責任を背負った。
開幕から連続無失点記録を更新する山崎と堂々の投げ合い。しかし、六回の勝負どころで踏ん張れなかった。先頭の吉川に四球。岡本とキャベッジを凡退させたが、甲斐に四球を与えて一、二塁のピンチを迎えた。
増田陸を迎え、フルカウントから真ん中に入ったカットボールを捉えられた。左翼線への適時二塁打で2点を献上。「しっかり投げきらないといけなかった。それができなかった」と言い訳することなく振り返った。
6回5安打2失点と、先発投手としては及第点の内容。それでも右腕は唇をかむ。「(山崎の)状態がいいのは対戦前から分かっていた。1点もやらないように投げなきゃ、勝機はないと思っていた」。1点が明暗を分けるマッチアップだったからこそ、到底満足できる結果ではなかった。
これで東京ドームでは18年4月15日に白星を挙げて以降、11戦勝ちなしの6連敗。“鬼門”で潮目を変えることはできなかった。「また、次に向けて頑張ります」と落ち着いた口調で前を向いた。悔しさを胸に刻み、白星をつかむための準備に身を投じていく。