「中日5-4阪神」(30日、バンテリンドーム) 阪神が今季初のサヨナラ負け。継投失敗も響き首位から陥落した。六回が壁となっている先発の門別啓人投手は5回2/3を投げて4失点。デイリースポーツ評論家・西山秀二氏は坂本誠志郎捕手の「リードの優…

 「中日5-4阪神」(30日、バンテリンドーム)

 阪神が今季初のサヨナラ負け。継投失敗も響き首位から陥落した。六回が壁となっている先発の門別啓人投手は5回2/3を投げて4失点。デイリースポーツ評論家・西山秀二氏は坂本誠志郎捕手の「リードの優しさ」を厳しい目で指摘した。

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 左投手の門別に先頭から4人連続で左打者を並べるという大胆なオーダーを組んできた中日に対する坂本のリードの優しさが気になった。

 門別と中日の対戦が今季初であれば、なおさら1打席目から相手の脳裏に残るような配球が必要だったにもかかわらず、坂本は外角中心のリードできれいにアウトを取ろうとしていた。

 2巡目から内角を使い始めたが、厳しい言い方をすると、もう手遅れ。1巡目に外角球を打たれたから内角を使ってるだけで、相手は次に門別と対戦するとしたとしても、特別嫌だという印象は残ってないはずだ。

 坂本のことは学生時代から知っていて、人柄の良さも知っている。ただ、坂本は捕手。グラウンド上で人の良さはいらない。相手に『いい人』と思われてるうちは、一人前とは呼ばれない。坂本は藤川監督に何を期待されているのか。決して打撃ではなく、リード面を期待されて送り出されているはずで、いま一度、自分が何を求められているのかを考えてみる必要がある。

 僕らの時代、ヤクルトの古田さん、中日の谷繁ら一流と呼ばれる捕手は、とことん相手に嫌われていた。しつこい攻めや厳しい配球は、相手選手の脳裏に嫌というほど刻まれていた。捕手は相手に嫌われて一人前。坂本には肝に銘じて戦ってもらいたい。