「オリックス3-2ロッテ」(29日、京セラドーム大阪) “ムギ”がドラマチックに決めた。ゴールデンウイーク初日。ユニホームの背ネームを愛称や自身でつけたニックネームにするという、遊び心のある趣向で開催された本拠地ゲームで『ムギ』ことオリッ…

 「オリックス3-2ロッテ」(29日、京セラドーム大阪)

 “ムギ”がドラマチックに決めた。ゴールデンウイーク初日。ユニホームの背ネームを愛称や自身でつけたニックネームにするという、遊び心のある趣向で開催された本拠地ゲームで『ムギ』ことオリックスのドラフト1位・麦谷(富士大)がプロ初のサヨナラ打。「サイコーです」。歓喜のあまり、お立ち台で絶叫。黄金週間初戦を劇的勝利で飾った。

 キター!という感じだった。同点の九回1死三塁。「『来たー』みたいな」。これ以上ない絶好機で麦谷が打席へ。相手ロッテ・横山の5球目。低目のシンカーを捉えた打球は右前へのサヨナラ適時打に。三走・野口の本塁生還を確認すると、麦谷が両手を掲げて喜びを爆発させた。

 感謝の気持ちは忘れない。故郷でもある仙台での、11日からの楽天3連戦に両親を試合に招待。「ここまで育ててくれたのも親ですし、最終的な味方は両親だと思っているので」。一方で先発出場する試合では両親からラインで激励を受けるなど勇気づけられている。

 チーム一丸でつかんだ勝利。この日はキッズファンらに喜んでもらおうと銘打たれた「Bsオリっこデー2025」。背ネームも自身でつけたニックネームなどが施された。「東京じゃないですよ」と大阪市港区で育った西川は『ミナトクダンシ』。先発・宮城は自身の名前「大弥(ひろや)」から『ヒロヤン』としてプレーに臨んでいた。

 チームに大きな流れをもたらす新人の価値ある一打。今季3度目のサヨナラ勝利で2位・楽天と1・5ゲーム差に広げた。「この勢いでいきたいと思います」と岸田監督。首位固めを狙う黄金週間。この勢いを確かな物にしていく。