日本バレーボール協会の川合俊一会長が28日、自身のSNSで27日に行われた大同生命SVリーグ男子・プレーオフ準決勝、サントリー-名古屋で波紋を呼んでいる判定について、見解を示した。 自身の立場について「私は公益財団法人日本バレーボール協会…
日本バレーボール協会の川合俊一会長が28日、自身のSNSで27日に行われた大同生命SVリーグ男子・プレーオフ準決勝、サントリー-名古屋で波紋を呼んでいる判定について、見解を示した。
自身の立場について「私は公益財団法人日本バレーボール協会の会長でありますが、一口にバレーボール協会と言いましてもたくさんの加盟団体から成り立っております。一般社団法人SVリーグに関しましては、私から方針や運営をああしろ、こうしろと言える立場ではない事をご理解下さい。その辺りの説明も今まで不足していたと思います、申し訳ありません」と説明した上で「しかしながら、それで今回の責任逃れをするつもりはありませんし、SVリーグと我々がタッグを組んでお互いバレーボール界を盛り上げる為に助け合いましょうという合意を先だって行ったばかりですので、我々が選手やスタッフ目線に立って運営していくべきなのはもちろん、そしてSVリーグが今後さらに盛り上がるようにしていかなければ、とも思っております」とし、「会長としての立場ではなく元バレーボール経験者の川合俊一個人の意見を中心に述べさせて頂きます」として、切り出した。
時系列を確認した上で「まずはこの試合でルール的に問題にすべき点は主に2つだと私自身は思っています」とし、「一つ目はレッドカードが出たのに1点しか加点されず試合が再開された事です。これは審判の方も非を認めています。なぜ点が2点じゃないのか?とサントリー側が確認する行為などが、会場で観ていた方やテレビ等で観ていた方には、サントリーが審判や会場を煽っている行為だと思ったことと思われます。しかしながら、サントリーはなぜ2点入ってないのかと抗議していたようです。そこは勿論2点入って然るべきなので、ここに審判サイドにミスがあった事は間違いありません」と指摘した。
「そしてもう一点、ウルフドッグスの選手に対してなぜ2回レッドカードが出されたのか?ここが一番ファンの方が知りたい、納得されていない最大の事だと思います」とし、「まず関係者や審判サイドで観ていた方の証言から結論を言いますと、この問題が起きるかなり前の段階から、何度もウルフドッグスの外国人選手からサントリーの選手に対して言ってはならない文言が出ていた事が確認されています。それは既に審判の耳にも入っており、それがその後に起こったあの場面でのウルフドッグス側の選手の抗議に対しレッドカードが出されたことに起因しているのだと思われます。しかし一枚目に出された選手にとってはある意味トバッチリだったのではないかと私個人は可哀想だったと思います。そこがチームプレーの怖さでもあると言えると思います。そしてそもそも、審判に対してやり取りや抗議ができるのはコートキャプテンのみという事はルールブックにも記載されている事なので、そこにも問題がありました」と説明した。
「そしてここからは、わたしが現役選手に戻ったつもりで思いを語ると『ああいった最も大事な場面で興奮してしまいエキサイトする行為をしてしまったがこの局面でレッドとは!それはない、せめてイエローで』という気持ちになると思います。ですのでウルフドッグスの選手のやり切れない気持ちは痛い程分かります。ですが審判はルールに則りレッドカードを出す権限をもっていますので、仕方がない事でもあります。しかしまた選手目線に戻ると、初代SVリーグチャンピオンを目指し、日々仲間と練習を積み重ねこの試合に勝てば次に繋がる大事な一戦の大事なポイントがレッドカードの点になってしまったという悔しさは計り知れません。私は審判の資格を持っていないので敬虔な事は言えませんが、もしできる事ならこれ以上詰め寄ったらレッドカード出しますよと伝え、それでも詰め寄った時にカードを出すくらいの配慮があってもいいのではと思います。もう少し人間味のあるジャッジの仕方に改善する議論は今後あっても良いかと思います」と見解をつづった。
一方で「ですが現段階のルールに沿えば、あの場面での審判の判断は完全に間違っていたとは言えません」と指摘し、「うろ覚えですがラグビーの試合では選手が反則に近い事をした時に、審判は次に同じ事をしたら反則取りますよと予告注意をするそうです。バレー界も選手と審判の頼関係の向上に努めなければならないと今回痛切に思いました」と、改善の必要性をつづった。「これは我々バレーボール協会の仕切りの大会でも同じですが、いま何に対して反則があったのか会場の方々が十分に分からないままプレーがスタートする事があります。今回も同じ事がおきました。分からないまま進んでしまう試合ほどイライラする事はありません。バレーボールに詳しい方なら分かるかもしれませんが、あまりルールは分からないけどバレーボールや選手が大好きまから観戦にいらっしゃるファンの方も多いと思います。分かる人にだけ分かればいいという考えは今後無くしていき、大事な場面はもう少し分かりやすく時間をとって説明をしなければいけないと思います。これはバレー界全体の反省点であります」と、見つめた。
また選手達から運営面の改善を求める声が上がっていることには「そしてこの場を借りて話が一旦少し逸れますが、西田選手や山内選手が苦言を呈している事も耳にしておりますし、不満を抱えている選手が多くいる事と思います。ジェスキー選手や外国人選手への配慮も欠けていたかもしれません」とした上で「選手の声も拾えとのご指摘頂いておりますが、私が直接介入する事はできませんが、選手達が改善して欲しい事は大いに話し合い議論をぶつけるべきだと思っています」と、記した。
そして、誹謗中傷についても「昨夜からもまだ尚、サントリーの選手やチームに対しての誹謗中傷が本人達に対してもネット上でも多く見られます。今回サントリーは間違いなく自分達の力で正々堂々と勝利をした、それは紛れもない事実です!ですので、個人やチームに対して心無い声を発する事はやめて頂きたいです。叱咤激励と誹謗中傷は全く違うものであります。もちろんウルフドッグスにも同じ事ですが、選手に落ち度はありません」と呼びかけた。