島根県川本町に4月、女子硬式野球クラブチーム「島根フィルティーズ」が誕生した。運営するのは、昨年4月に法人化された一般社団法人「かわもと暮らし」。法人内のチームをサポートする部署で、チーム代表の大久保一則さん(38)は創設準備を進めてきた…

 島根県川本町に4月、女子硬式野球クラブチーム「島根フィルティーズ」が誕生した。運営するのは、昨年4月に法人化された一般社団法人「かわもと暮らし」。法人内のチームをサポートする部署で、チーム代表の大久保一則さん(38)は創設準備を進めてきた。

 「女子野球と地域とのつながりをしっかり強いものにしていきたい。この子たちが来たから、こういうことができるようになった、変わったと聞けるようになることをめざしたい」

 大学卒業後、大阪のゼネコンで働いていたが、2016年に川本町にUターン。当時は任意団体だった同法人に入った。女子野球で地域活性化をめざす町がチームをつくることになり、小学3年生から大学まで野球を続けていた経験を買われてマネジメントの声がかかった。

 チーム創設に向け、鹿児島、愛媛、広島、山口、大阪などの高校や社会人チームの選手に声をかけた。現役引退を決めていた選手の話にも耳を傾け、信頼関係をつくった。県内外の18~26歳の選手13人で発足にこぎつけることができた。

 選手らが働きながら野球を続けていけるよう、農家や保育所、福祉施設などで雇用に向けての交渉も担ってきた。選手たちは5月から、様々な業種で仕事を始める。

 チームのスポンサー集めでは、企業などに手紙を送ったうえで直接出向き、協力を依頼。4月12日に町内であったチームの設立イベントでは、地元企業など28社がスポンサーになったことが紹介された。

 「女子野球の仕組みはできたが、運営の安定が第一。球場をスポンサーの旗でいっぱいにして、選手が活躍する。そしてそれが、町民のみなさんにもよい影響をもたらしてくれたらうれしい」(高田純一)

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 島根フィルティーズ 女子野球を生かした地域活性化をめざす島根県川本町が創設。監督は元プロ野球選手で島根県大田市出身の森山一人さん(51)。中四国女子硬式野球連盟のルビー・リーグ3部(グループB)に参戦し、1部への昇格をめざす。