「プロレス・ルチャフェススペシャル」(27日、両国国技館) FMWなどで活躍した伝説の天才プロレスラー、ハヤブサが復活した。“二代目”の新生ハヤブサが、デビュー戦として田中将斗(52)とシングルマッチで対戦。2016年3月に47歳の若さで…
「プロレス・ルチャフェススペシャル」(27日、両国国技館)
FMWなどで活躍した伝説の天才プロレスラー、ハヤブサが復活した。“二代目”の新生ハヤブサが、デビュー戦として田中将斗(52)とシングルマッチで対戦。2016年3月に47歳の若さで亡くなった初代ハヤブサの江崎英治さんがつくりあげた浮遊感のあるムーブを次々と繰り出し、最後は必殺技のファイヤーバード・スプラッシュで3カウントを奪った。見事な復活劇に、会場に集まった2714人の目の肥えたプロレスファンも喝采を送ったが、ハヤブサとの名タッグ復活が決まった盟友の新崎人生(58)も涙ながらに感慨に浸った。
まるで天国から不死鳥が舞い戻ったような光景に、国技館はどよめきと歓喜に包まれた。おなじみの入場テーマ曲とともにハヤブサが神々しく登場すると、トップロープを開脚しながら飛び越えてリングイン。そして田中をドロップキックで奇襲し、そのまま場外に落ちた相手に向かって羽織を着たままトペ・コンヒーロを繰り出すなど、ハヤブサならではのムーブをよみがえらせた。さらにニールキック、ラ・ケブラーダ、ファルコン・アローなどおなじみの技を繰り出し、最後はコーナー最上段からのファイヤーバード・スプラッシュで勝利。うなりのような歓声が響き、涙ぐむファンの姿もあった。
5月7日のゼロワン川崎大会でハヤブサとのタッグ復活が決まった新崎も電撃来場した。バックステージで新崎は新生ハヤブサについて「足りないところはあると思うが、江崎英治のハヤブサではなく、二代目として成長していく姿が楽しみな選手だと感じた」と期待を込めた。
初代ハヤブサの江崎さんは2001年5月の試合中の事故で頸髄を損傷し、長く過酷なリハビリ生活を送っていたが、改めてハヤブサという存在が復活するということについて新崎は「賛否はあると思うが、江崎君は生前、新たなハヤブサが生まれてもいいという思いを持っていた」と明かし、「私がまだ現役でいる間に復活して、またこうやって組める(とは)。実は江崎君がケガをして、リハビリをして、自分は江崎君が復活するまで、自分は何年も元気なレスラーでいようと思って、ずっと待っていました」と、秘めたる思いを吐露。涙で言葉を詰まらせながら、「江崎君はもうこの世にはいませんが、こうやってハヤブサという形で戻れたことは本当にうれしいです」と感慨を込めた。
また、二代目の初陣で対峙した田中も「やっぱりグッとくるものはあった。あの曲で入場してきて、開脚でリングインしたときは正直、『あ、かっこいいな』って。遠目で見たら、ほんまにそっくりやなって。昔に戻ったよね。跳んでいる姿とか(初代に)似ているんじゃないかなと感じた」と万感。あまりに大きな看板を背負うだけに「コピーとか簡単なもんじゃない。あの人(初代)を簡単にコピーできるやつなんか誰もいない。オリジナルなハヤブサをこれからどんどんつくっていけばいい」とエールを送った。