「阪神６－２巨人」（２６日、甲子園球場） ゴールデンウイーク初日に、球団史に輝く勝利を挙げた。阪神の大山悠輔内野手（３０）が同点の八回に決勝の適時二塁打。通算１０００試合出場となった節目の一戦を自らのバットで祝った。これでチームは巨人に開…
「阪神６－２巨人」（２６日、甲子園球場）
ゴールデンウイーク初日に、球団史に輝く勝利を挙げた。阪神の大山悠輔内野手（３０）が同点の八回に決勝の適時二塁打。通算１０００試合出場となった節目の一戦を自らのバットで祝った。これでチームは巨人に開幕から５連勝。１９４８年以来７７年ぶりの快挙となった。連勝は今季最長の「６」まで伸び、同最多の貯金６。勢いのまま黄金週間も突っ走る！！
大山の名前が書かれた赤いタオルでスタンドが埋め尽くされた。大きな期待を背負って放った打球は、三塁線ギリギリを襲う。大山は全力疾走で二塁へ到達すると、柔らかい表情で手を軽くたたいた。
「正直ほっとした気持ちが一番。その前にエラーもあったので、打点を挙げられてすごくよかった」
五回１死は一塁線のゴロを後逸。名手らしからぬ失策をバットで取り返した。同点で迎えた八回１死二塁。佐藤輝の申告敬遠で大ブーイングが起こる中、冷静に気持ちを整理して打席に立った。
前夜に初めて使用した魚雷バットで田中瑛の２球目、内角シュートを引っ張り、２試合連続の決勝打。７７年ぶりの巨人戦開幕５戦５勝という歴史的勝利に導いた。
ネクストバッターズサークルでは日頃から３回ほどフルスイングして打席に入る。「どうやったらタイミングを取れるか」。直前まで思考を巡らせる。シュートを得意球とする田中瑛ももちろん分析済み。相手の持ち味であるボールを一振りで仕留め、「ボールの軌道であったり、どういうピッチャーなのかも頭に入っていたので」と振り返る納得の一打だった。
プロ９年目で迎えた記念の一戦に、自ら花を添えた。ＮＰＢ史上５３７人目となる通算１０００試合出場を達成。五回終了時には記念パネルを受け取り、スタンドへ深々と頭を下げた。
「ここまで使ってもらって、たくさんの方の支えがあって、ここまで来られたので、全ての方々に感謝したい。丈夫な体に生んでくれた親にも感謝したい。これからまた一試合一試合をしっかり積み重ねていければ」
昨オフ、国内ＦＡ権を行使した。巨人からのラブコールもあった中、阪神に残留することを決意。藤川監督は節目の一戦での活躍に対し、「ここまでも素晴らしいキャリアで、タイガースによく残ってくれた。スタンドを埋め尽くすファンの方も十分に分かっていると思うし、今後もタイガースに欠かせない存在ですね」と賛辞を贈った。
チームは今季最長の６連勝で貯金も同最多の６。大山は仲間の活躍もたたえ、「本当はお立ち台にもチーム全員で上がりたいくらい、すごく大きな１勝」とうなずいた。中心的存在として、２年ぶりの悲願へチームをけん引していく。
◆巨人戦開幕５戦５勝 １リーグ時代の１９４８年以来、７７年ぶり。前年の４７年に戦後初のリーグ優勝を果たした阪神（当時は大阪タイガース）は、４８年シーズンから慶大出身のスラッガー・別当薫が入団して藤村富美男、土井垣武らと“ダイナマイト打線”を形成して連覇を目指した。巨人には１１勝９敗と勝ち越したが、優勝した南海に５勝１５敗と大きく負け越したのが響き、８チーム中３位に終わった。なお、引き分けを挟まない阪神の巨人戦開幕連勝最長は、３７年秋の７戦７勝。
◆通算１０００試合出場 阪神の大山内野手が２６日の巨人５回戦（甲子園）に先発出場して達成。プロ野球５３７人目。初出場は１７年６月２３日の広島戦。
