「ウエスタン、広島9-3くふうハヤテ」(22日、由宇球場) 大きな一歩じゃ!2月下旬に右手中指を骨折した広島の坂倉将吾捕手(26)が22日、ウエスタン・くふうハヤテ戦(由宇)で実戦復帰した。「3番・捕手」でスタメンに名を連ね、四回まで出場…

 「ウエスタン、広島9-3くふうハヤテ」(22日、由宇球場)

 大きな一歩じゃ!2月下旬に右手中指を骨折した広島の坂倉将吾捕手(26)が22日、ウエスタン・くふうハヤテ戦(由宇)で実戦復帰した。「3番・捕手」でスタメンに名を連ね、四回まで出場。第3打席で左翼線へ適時二塁打を放つなど、攻守にわたって順調な調整ぶりを示した。今後はイニング数を伸ばしていく予定。鯉の正捕手が1軍合流へ前進した。

 背番号31がグラウンドに戻ってきた。内野陣に細かく指示を出して、マスクをかぶる姿。打席でゆったりとバットを構える姿。その全てに独特なオーラが漂う。復帰初戦とは思えないような仕上がりを見せた坂倉は「何事もなく終われたので、よかったです」と淡々とした表情で言葉を並べた。

 復帰後初打席は初回無死一、二塁の場面。「1打席目だけは初球をいこうと思っていた」と低めの直球をスイングした。打球は一塁へのゴロとなるも一塁手が二塁へ悪送球し、二走・上本が先制のホームに生還。「打ち損じましたけど、振れたことがよかった」とうなずいた。

 二回の第2打席は左飛に倒れ、予定していた2打席は終了。しかし、「2打席目が良かったので、もう一回いっておきたいと思った。ちょっとお願いしていきました」と打席を“おかわり”。そして、四回無死二塁で迎えた第3打席で左翼線への適時二塁打を放ち、貫禄を見せつけた。

 五回の守備から退き、復帰戦は3打数1安打1打点。「2打席目からいい感覚で球が見えましたし、少しずつ良くなっている。形としてヒットが出てくれてよかった」と納得の表情を浮かべた。

 守備でも軽快な動きを見せた。三回無死一塁では盗塁に対し、二塁へ送球。ワンバウンドとなり、盗塁を決められるも「うまく握り替えができなかった。指がどうとかいうのは特にないです」とけがの影響はないことを強調した。

 キャンプ中の2月下旬に右手中指を骨折。3月4日に手術を受け、当初は5月以降の復帰を予定していたが順調な回復を見せ、この日を迎えた。患部にはまだ腫れが残っているが「すぐに取れるものではない。プレーには影響がないので、そこは受け入れて行動したい」と前向きに話した。

 2軍から報告を受けた新井監督は、1軍合流時期について「ここっていうのは決めていない。経過を見極めながら」と言及。今後はイニング数を伸ばしながら調整し、万全な状態での昇格を目指していく。

 首位を走るチームに正捕手である坂倉が加われば、勢いが増すことは間違いない。「戻るからには貢献しないといけないので、そういう準備はしたい」。7年ぶりの頂点へ、欠かせぬピースが大きな一歩を踏み出した。