「日本ハム2-4楽天」(22日、エスコンフィールド) ベンチの前で偉業をたたえる記念ボードを誇らしげに掲げた。1点を追う八回無死。楽天・浅村が通算300本塁打となる同点3号ソロを右越えに放つ。得意の逆方向への当たりに「300本目が理想の打…
「日本ハム2-4楽天」(22日、エスコンフィールド)
ベンチの前で偉業をたたえる記念ボードを誇らしげに掲げた。1点を追う八回無死。楽天・浅村が通算300本塁打となる同点3号ソロを右越えに放つ。得意の逆方向への当たりに「300本目が理想の打撃ができて良かった」と胸を張った。
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浅村には誰よりも振り込んできた春のキャンプがある。ランチ特打から全体での打撃練習に、居残り特打。だが、シーズンが始まっても変わらない姿がそこにあった。
若手選手のアップが始まるおよそ1時間前。浅村はひっそりと始動する。ナイター明けのデーゲームでも変わらない。繰り返しロングティーを行うことが日課だ。「毎日試合があるので。自分の感覚を修正するために、全体のバッティングが始まる前に整える。ルーティンですね」。浅村流のリセット時間だ。
これは西武時代から変わらない試合への向き合い方でもある。「体を大きく使って、全身でしっかり打つことを意識してやっています」。史上47人目となる300号まで紡いできた原点だった。
練習は裏切らない-よくそんなことを聞く。だが、そんな言葉を浅村に投げかけたら首を横に振った。「打てなかったら練習するとか、打っていると練習しないとか。そういう感覚が自分にはない」。結果を出すための手段ではない。そして「僕はちょっと人と違うのかな」と笑みを浮かべた。積み重ねてきた300本のアーチは、どんな時でも手を抜かない日々が生んだ答えだと思った。(デイリースポーツ楽天担当・松井美里)