◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(19日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇晴れ(観衆4141人)“おはようボギー”で始まった佐久間朱莉にスイッチが入った。「7、9番でバーディがとれて、流れが良くなり…

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(19日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇晴れ(観衆4141人)
“おはようボギー”で始まった佐久間朱莉にスイッチが入った。「7、9番でバーディがとれて、流れが良くなりました」。7番で7mを決め、9番(パー5)は2打目をガードバンカーに運んで、1mに寄せた。後半は13番(パー3)でとった後、17番のチップインから上がり2連続バーディ。首位と3打差12位から、1打差2位で最終日を迎える。
ツアー未勝利で2位が4度の22歳。昨季メルセデスランキングは0勝選手で最高の8位で、現在「最も初優勝に近いプロ」だ。今季も開幕から5戦で予選落ちなしは当然のこと、「アクサレディス」6位、前週「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」7位でワースト順位は22位。それでも「調子が悪いわけではないですが、なかなか噛み合ってくれないので上位に食い込めていません」と自己分析するほど求めるレベルは高い。
あと一息をアプローチの精度に求めて、ショット:アプローチ:パットで等分だった練習量を2:3:5に変えた。「やっぱり最後はパットなので」という。
初優勝へのモチベーションは先週の「マスターズ」テレビ観戦で高まった。「推しはコリン(・モリカワ)」と言いながら、しびれた選手はやはりロリー・マキロイ(北アイルランド)だった。激闘の末、史上6人目のキャリアグランドスラムを達成し、雄叫びを挙げ続ける姿が目に焼き付いた。
「最終日はバックナインから全部、生(中継)で見ました」という佐久間は「もらい泣きしました?」と聞かれて「あれを見て、泣かない人がいるんですか?」と逆質問。ティッシュを手に両目を押さえてフィナーレを見届けたようで「私は勝ちたい気持ちはもちろんありました。でも、マキロイを見て“勝ちたい気持ちはもっと出していいんだ”と思うようになりました」と話した。
「今日は“しっかり伸ばすぞ”と思いながらプレーした」。悲願とも言えるツアー初優勝へ。マキロイばりの闘志を胸に、最終日最終組でティイングエリアに立つ。(熊本県菊陽町/加藤裕一)