「阪神2-5広島」(18日、甲子園球場) 甲子園に悲鳴が響いた。阪神の村上頌樹投手(26)が二回に自己ワーストの1イニング5失点。想定外の大乱調が響き、4回7安打5失点で今季初黒星を喫した。球団の開幕投手が開幕から4戦4勝となれば1967…
「阪神2-5広島」(18日、甲子園球場)
甲子園に悲鳴が響いた。阪神の村上頌樹投手(26)が二回に自己ワーストの1イニング5失点。想定外の大乱調が響き、4回7安打5失点で今季初黒星を喫した。球団の開幕投手が開幕から4戦4勝となれば1967年の村山実氏以来58年ぶり。先発に限れば53年の藤村隆男氏以来の72年ぶりだったが、大記録に並ぶことはできなかった。
マウンドにはきれいな夜空を見上げる、曇り顔の村上がいた。カープ打線を止められない。「点を取ってもらった後の回だった。リズム良くいけば、勝てたと思う。ああいうイニングを作っちゃったんで、負けてしまった」。左翼席の真っ赤な声援が聖地に響く中、何度も何度も天を仰いだ。
分岐点は二回。味方打線が初回に2点を先制した直後だった。無死一、二塁から菊池に左中間へ同点の2点適時二塁打を献上。続く会沢には四球を選ばれた。1死二、三塁は二俣にフルカウントから5球粘られて四球。ここでも14球を要した。
1死満塁で矢野に勝ち越しの左犠飛を打たれ、2死満塁からは末包に左前への2点適時打で大量失点。「なかなか前に飛ばなかったんで、そこで空振りを取れれば良かった。バットに当たる球を投げてたのは力不足」。結局、54球を要し、自己ワーストの1イニング5失点。この回は空振りを二つしか奪えなかった。
四回まで意地の102球を投げたが、昨季5月21日の広島戦(マツダ)以来、自己ワーストタイの5失点。「(調子は)普通じゃないですかね。良くも悪くもって感じだと思います」。今季の開幕戦では8回2/3を無失点と好投した広島に借りを返された。
開幕投手が開幕から4戦4勝となれば、67年の村山実氏以来。先発のみに限れば、53年の藤村隆男氏以来の球団記録だったが達成ならず。記録への意識はなかったが、勝利への執念は燃やしていた。「粘り強く投げていければと思ってたんですけど、踏ん張りきれなかった。ダメかなと思います」。言い訳はせず、自分の投球を責めた。
三回にはボークもあった。緩い球を使うなどの工夫もあったが、本来の姿とはほど遠い内容。前回登板の11日・中日戦(甲子園)も5回3失点だっただけに、改善が求められる。「先制してもらった次のイニングで失点してしまい、みんなに申し訳ないです」。こういう日もある。虎のエースならば、次回登板で立て直してくれるはずだ。