「オリックス2-1日本ハム」(18日、京セラドーム大阪) “バケモノ級”だ。オリックスを劇的なサヨナラ勝利へ導いた107球。単に力でねじふせるのではない。中5日のマウンドで巧みな技が光った投球術。岸田監督も思わず“バケモン”と称賛した先発…
「オリックス2-1日本ハム」(18日、京セラドーム大阪)
“バケモノ級”だ。オリックスを劇的なサヨナラ勝利へ導いた107球。単に力でねじふせるのではない。中5日のマウンドで巧みな技が光った投球術。岸田監督も思わず“バケモン”と称賛した先発・九里亜蓮投手が、移籍後初完投星でハム打線をねじ伏せた。
最後までマウンドは譲らなかった。豊富な球種で日本ハム打線に的を絞らせない。反省は先制点を許した初回のみ。三回から七回まで5イニング連続で三者凡退。さらに特筆は七回。追い込んでから野村に対してフォーク、レイエスと万波にはチェンジアップを決め球に3者連続空振り三振に封じ込んだ。
当然のように最終回のマウンドに登り無失点で片付けると、直後の攻撃で若月がサヨナラ打。思わずバンザイしながらベンチを飛び出した。終わってみれば9回6安打1失点でチームの連敗を止めた今季3勝目。4月のシーズン序盤にして中5日での完投星を飾った九里に岸田監督も「バケモンやと思いますね。ほんとに」と目を丸くした。
登板間隔が短いほど歓迎のタイプ。「どっちかと言えば、伸びるよりは短くなった方が調整はしやすい」と九里。FA交渉の際、九里の研究熱心さに感心していた福良GMも「若い投手の手本になるだけでなくて、イニングを稼いでくれるチームとして貴重な投手になってくれる」と期待していた通りのイニングイーターぶりだ。
疲れた様子がない。「余裕?まだ、はい。いけって言われれば全然いける体ではあります」。この日で2位・日本ハムと今季最大3ゲーム差に。頼れる右腕がチームの勢いを加速させていく。